【全文公開】縦型30秒の台本|検証・比較型(架空商材7bowlsで解説)
2026/8/3

はじめに
「1週間試してみた」「◯◯と比べてみた」。この形式の縦型広告は、SNSで最も見られている型のひとつです。
理由は単純で、結果が分かるまで見てしまうからです。冒頭で「これから何かを試す」と分かると、視聴者は答え合わせのために残ります。他の型が「興味を持たせて引っ張る」のに対し、この型は最初から続きを見る理由が構造に組み込まれています。
この記事では架空商材「7bowls(冷凍宅配ミール・D2C定期)」を題材に、30秒の台本を全文公開します。
先に|比較で踏んではいけない線
効果的な型ですが、表示上の注意が最も多い型でもあります。
他社商品を実名で比較する場合
比較広告そのものは禁止されていませんが、主張する内容が客観的に実証されていること、実証されている数値や事実を正確に引用すること、比較の方法が公正であることが求められます。実証のない優位性の主張は、実際のものより著しく優良だと誤認させる表示にあたるおそれがあります。
「◯◯より安い」「業界最安」といった表示
比較対象と条件が明示されていない価格の優位性表示は、有利誤認にあたるおそれがあります。
実務的な結論
自社商材の縦型広告では、他社を実名で出さない構成にするのが安全です。比較の対象は次のいずれかにします。
今までの自分のやり方(作る/買う/別の手段)
使う前と使った後の生活(体調や効果の断定はしない)
条件を揃えた事実の計測(時間・手間・回数など)
この記事の台本もその形で作ります。
【全文公開】検証・比較型の縦型30秒台本
「作る」と「7bowls」を、同じ夜の時間で比べる構成です。
時間 | 画 | セリフ・テロップ | 設計意図 |
|---|---|---|---|
0–3秒 | 画面を上下に分割。上:空のフライパン。下:冷凍パック。どちらもまだ動いていない。時計を画面隅に表示 | テロップ(大)「仕事終わりの夜、どっちが先に食べられる?」 | 縦型は上下分割が効く。結果が出るまで見る理由を冒頭で作る。疑問形にして答え合わせを待たせる |
3–8秒 | 上下同時進行。上:買い物袋から食材を出す。下:袋を開けてレンジに入れる | テロップ「同じ21時スタート」 | 条件を揃えたことを明示する。ここを言わないと検証として成立せず、信頼されない |
8–16秒 | 分割のまま早回し。上:切る・炒める。下:レンジの表示が進む。時計は実時間で進行 | テロップ(画面隅)経過時間を表示し続ける | 差が「作られたもの」ではなく「実測」に見える。数字は語らず画面に置く |
16–22秒 | 下側が先に完成。湯気の立つ一皿。上側はまだ調理中 | テロップ「レンジ5分/7品目」 | 差がついた瞬間を見せる。ビフォーアフターではなく「差」を見せるのがこの型の核心 |
22–26秒 | 分割を解除。完成した一皿と、食べている手元 | テロップ「作らない日があっていい」 | 検証の結論を、優劣ではなく選択肢として提示する。他社比較にしないことで表示上も安全になる |
26–30秒 | 商品を正面で1カット。条件を画面下に固定表示 | テロップ「初回7食セット/いつでもスキップOK」→「プロフィールから」 | オファーとCTA。定期条件を明記し、CTAは1つに絞る |
※7bowlsは説明用の架空商材です。訴求数値もダミーです。実際の制作では、計測した条件と結果を正確に記載してください。
各ブロックの意図
0–3秒で疑問形にする。 「どっちが先に食べられる?」は、答えを知りたくさせる形です。断定で始めると答え合わせの必要がなくなり、見続ける理由が消えます。
3–8秒で条件を揃えたことを言う。 「同じ21時スタート」の一言があるかないかで、検証としての説得力が変わります。条件が示されない比較は、作られたものとして処理されます。この一言は表示上も重要です。
8–16秒で数字を語らない。 経過時間を画面に出し続けるだけで、視聴者が自分で差を認識します。ナレーションで「こんなに早い」と言うより、実測が進む画のほうが強く働きます。
16–22秒が最も効く場所です。 この型の核心はビフォーアフターではなく「差がついた瞬間」です。片方が完成し、もう片方がまだ途中である状態を同時に見せます。
22–26秒で優劣にしない。 「作るより優れている」と結論づけると、比較広告としての要件が発生します。「作らない日があっていい」のように選択肢として提示すれば、主張が優位性ではなく提案になります。表示上の安全と、視聴者の受け取りやすさが両立します。
26–30秒はCTA1つ。 定期条件は価格と同じ画面に置きます。
構成の考え方そのものは [通販式ダイレクトレスポンス台本の型] で解説しています。
比較の対象を変えたパターン
同じ型で、比べるものを変えて複数本作れます。撮影の型が固まっているため量産に向きます。
比べるもの | 見せ方 |
|---|---|
時間 | 上下分割で同時進行(上の台本) |
手間 | 使う道具・洗い物の数を並べる |
品目数 | 皿の上に並ぶものを数える |
1週間の記録 | 7日ぶんを早回しで積む |
「1週間試した」形式にする場合、日付を画面に出し続けると記録としての性質が強くなります。ただし体調や体型の変化を結果として見せると、効果の主張になり条件が必要になります。記録するのは行動や事実に留めます。
シリーズとして分けて配信する設計は [縦型広告のシリーズ設計] で扱います。
やりがちな失敗
他社商品を実名で出す
実証が必要になり、条件を満たさない場合は表示上の問題になります。自社商材の広告では避けるのが安全です。
条件を揃えたことを言わない
検証として成立せず、作られたものとして処理されます。
差を数字でナレーションする
画面で実測を見せるほうが強く働きます。音声に載せた情報はミュート視聴者に届きません。
都合の良い条件だけを見せる
一度でも作為が伝わると、以降の主張がすべて疑われます。条件は正直に出したほうが結果的に効きます。
優劣を結論にする
比較広告の要件が発生します。選択肢として提示します。
構成上の抜けは [売れない縦型広告に共通する構成の抜け5つ] にまとめています。
この型が向く商材・向かない商材
向く商材
時間・手間・回数など、目に見える形で差を示せる
条件を揃えた計測が可能
従来のやり方が明確に存在する
向かない商材
差が体感でしかなく、画で見せられない
効果の実証が難しい(比較にすると主張が強くなりすぎる)
検討期間が長く、感情で決まる商材
体感で語るなら [【全文公開】縦型30秒の台本|UGC・talking head型]、感情で動かすなら [【全文公開】縦型30秒の台本|ショートドラマ型] のほうが合います。
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まとめ
冒頭で「これから試す」と示すと、答え合わせのために見続けられる
比較対象は他社ではなく、今までのやり方に置くのが安全
条件を揃えたことを必ず明示する
数字は語らず、実測を画面に出し続ける
見せるのはビフォーアフターではなく「差がついた瞬間」
結論は優劣ではなく選択肢として提示する
条件を正直に出すほど、この型は強くなります。
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監修:Pinmov ディレクター 三上渉吾(地上波テレビ通販 6年)