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歯科医院の縦型SNS広告の台本|ガイドライン内で作る30秒構成【全文公開】

2026/8/3

はじめに

歯科医院の縦型SNS広告は、医療広告ガイドラインの制約があるため、一般のD2C商材と同じ作り方ができません。この記事では、使える表現の範囲を整理したうえで、30秒の台本を全文公開します。

先に結論を書きます。制約があるから弱い広告になるわけではありません。 使えない手法を避けた結果、むしろ他院と差がつく構成になります。

前提:歯科の広告で何が制限されるか

医療広告ガイドラインは2018年の医療法改正でウェブサイトとSNSが規制対象に加わり、集患を目的とする投稿は「広告」として扱われます。

縦型広告の制作で特に影響が大きいのは次の3点です。

制限される内容

縦型広告への影響

治療前後の写真(ビフォーアフター)

条件を満たさない形では使えない。使う場合は治療内容・費用・リスク・副作用の併記が必要

患者の体験談

治療内容や効果に関する体験談は使えない

他院との優位性の主張

「日本一」「No.1」「最高」などの最上級表現は使えない

加えて、費用を強調しすぎる広告や、治療と関係のない特典の提示も品位を欠くものとして問題になります。

つまり、一般的なD2C広告で使われる「劇的な変化を見せる」「使用者の声を並べる」「限定価格を強調する」という3つの主力手法が、いずれも使えません。

規制の最終的な判断は個別性が高いため、実際の制作では監修の歯科医師や専門家に確認してください。 この記事は構成の考え方を扱います。

使えない手法の代わりに何を使うか

3つあります。

1. 変化ではなく、通う前の不安を扱う
治療後の状態を見せられないなら、治療前の心理を扱います。「痛いのが怖い」「費用が分からないのが不安」「何年も行っていないので怒られそう」。これらは事実の描写であり、規制の対象になりません。しかも来院しない理由の大半がここにあります。

2. 効果ではなく、体験の流れを見せる
初診で何をするのか、どのくらい時間がかかるのか、その日に何が決まるのか。事実として説明できる情報です。未知への不安を減らすことが、そのまま予約の障壁を下げます。

3. 症例ではなく、人を見せる
院長やスタッフが話す映像は、治療効果を主張していない限り制限されません。地域の医院を選ぶとき、患者が最終的に見ているのは「誰がやっているか」です。

【全文公開】歯科医院の縦型30秒の台本

初診の予約獲得を目的とした構成です。

時間

セリフ・テロップ

設計意図

0–3秒

診療室ではなく、自宅の洗面所。鏡の前で口元に手を当て、表情が固まる一瞬。医院も器具も映さない

テロップ(大)「何年も、行けてない」

医院の映像から入ると広告と判断される。来院しない側の心理から入り、当事者に自分の話だと思わせる

3–8秒

同じ人物がスマホで検索しかけて、閉じる。予約画面まで行って戻る動き

テロップ「怒られそうで、予約できない」

来院しない理由の言語化。ここを当てると以降が読まれる。責める構図を作らない

8–14秒

院長が正面を向いて話す。診療室の自然光。カメラは目線の高さ

院長「久しぶりの方ほど、まず今の状態を一緒に確認するところから始めます」

不安への直接の応答。効果ではなく対応の方針を述べており、規制の対象にならない

14–20秒

初診の流れを3カットで。受付 → 説明を受けている様子 → 次回の予定を決める場面

テロップ「初診は、確認とご説明まで/◯分程度」

未知を減らす。何が起きるか分かれば予約の障壁が下がる。事実の説明のみで構成する

20–26秒

院長とスタッフが並ぶ1カット。医院の外観を短く

テロップ「◯◯歯科/◯◯駅から徒歩◯分/土曜も診療」

誰がやっているか、どこにあるか。地域の医院選びで実際に見られている情報

26–30秒

予約導線を画面に固定表示

テロップ「ご予約はプロフィールから」

CTAは1つ。電話とWebを並べず、主導線に絞る

※医院名・時間・アクセスは記入例です。実際の表記は各医院の状況に合わせてください。

各ブロックの意図

0–3秒で医院を映さない。 診療室や外観から始まると、視聴者は内容を読む前に歯科医院の広告だと判断します。「行けていない」という自分側の状態から入ると、判断の前に当事者性が来ます。

3–8秒で「怒られそう」を言語化する。 長く受診していない人が予約をためらう理由は、費用や痛みだけではありません。責められるのではという予測が大きく働きます。医院側からこれを先に言葉にすると、防御が下がります。

8–14秒は効果を語らない。 「治ります」「きれいになります」は使えません。代わりに述べるのは対応の方針です。「まず今の状態を一緒に確認する」は事実の説明であり、直前の不安への応答としても機能します。

14–20秒で初診の流れを見せる。 歯科の予約における最大の障壁は、何をされるか分からないことです。工程を3カットで見せるだけで、未知が減ります。ここは他院がほとんどやっていない部分です。

20–26秒で人と場所を出す。 地域の医院を選ぶとき、患者は治療技術を比較できません。実際に見ているのは、誰がいて、どこにあって、いつ行けるかです。

26–30秒はCTA1つ。 電話番号とWeb予約を並べると選択が発生します。主導線を1つ決めます。

構成の考え方そのものは [通販式ダイレクトレスポンス台本の型] で解説しています。

歯科の縦型広告でやりがちな失敗

症例写真を主役にする
条件を満たさない形では使えません。治療内容・費用・リスク・副作用の併記が必要で、30秒の縦型にすべてを収めるのは現実的ではありません。症例に頼らない構成を先に作るほうが早く出せます。

設備と技術をアピールする
機器名や導入設備を並べても、患者にはその価値を判断できません。判断できない情報は記憶に残らず、予約の理由にもなりません。

院内の映像から始める
きれいな診療室のカットは、視聴者にとっては「広告の始まり」の合図です。冒頭は患者側の日常から入ります。

CTAを電話とWebで2つ置く
選択肢が増えると、決めずに離れます。1つに絞ります。

構成上の抜けは [売れない縦型広告に共通する構成の抜け5つ] にまとめています。

まとめ

  • 医療広告ガイドラインにより、変化・体験談・最上級表現は使えない

  • 代わりに使えるのは、来院前の不安・初診の流れ・人

  • 冒頭は医院ではなく、患者側の日常から入る

  • 効果ではなく対応の方針を述べる

  • CTAは1つに絞る

制約は不利ではありません。使えない手法を避けた結果、他院と同じ作りから外れます。

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監修:Pinmov ディレクター 三上渉吾(地上波テレビ通販 6年)