【全文公開】縦型30秒の台本|インタビュー・複数人の声型
2026/8/3

はじめに
複数の人が短く話す映像をつないだ形式です。「街頭の声」「◯◯な人に聞いてみた」といった見え方で使われます。
この型が効くのは、一人の主張より、複数の一致のほうが信じられるからです。同じことを言う人が3人続くと、視聴者は個人の意見ではなく傾向として受け取ります。しかも短いカットが連続するため、飽きる前に次が来ます。
ただしこの型は、演出の仕方によって表示上の問題になります。 そこを先に整理します。
先に|どこから問題になるか
「フェイクインタビュー」という呼び方が使われますが、何が偽装にあたるかを分けて考える必要があります。
問題になりにくいもの
実際の利用者に、質問して答えてもらった映像
演者が演じていることが明らかな構成(コント・再現として作られている)
商品と関係のない一般論について、複数人の意見を集めた映像
問題になるもの
演者に、利用者であるかのように語らせる
実際には使っていない人に、使用感を述べさせる
事業者と無関係な第三者の感想であるかのように見せる
最後の点は特に重要です。事業者が自ら作成・依頼したものを、第三者の自主的な感想であるかのように見せる表示は、いわゆるステルスマーケティングとして景品表示法上の不当表示にあたります。演者を使って利用者の声に見せかける構成は、この型で最も踏みやすい線です。
実務的な結論
実際の利用者に出てもらう(最も安全で、最も効く)
演者を使うなら、利用者を演じさせず、一般論の質問に留める
広告であることが分かる表示を冒頭に置く
体験談として効果を語らせる場合、商材によっては別の規制も加わります。医療関連は特に制限が強く、化粧品や健康食品でも効果効能の断定は使えません。
【全文公開】インタビュー・複数人の声型の30秒台本
架空商材「7bowls(冷凍宅配ミール)」で、実際の利用者に出てもらう前提の構成です。
時間 | 画 | セリフ・テロップ | 設計意図 |
|---|---|---|---|
0–3秒 | 質問テロップのみを全画面に。背景は撮影場所の一部が見える程度 | テロップ(大)「平日の夜ごはん、正直どうしてます?」 | 商品も社名も出さない。誰もが答えを持っている質問から入り、自分ならどう答えるかを考えさせる |
3–10秒 | 3人を2〜3秒ずつ。それぞれ別の場所・別の服装。カットの切り替わりで場所が変わることが分かる | 1人目「作れてないです、正直」 | 複数の一致を作る。短く切ることで飽きさせず、同時に「多くの人がそうだ」を成立させる |
10–14秒 | 1人をアップで残す。少し間を取る | 「ちゃんとしなきゃ、とは思うんですけど」 | 最も刺さる一言をここに置く。3人分けた後に1人へ寄ると、そこに重さが出る |
14–22秒 | 商品を手に取っている場面。使っている様子を短く2カット | テロップ「そういう日に、これを使っている人が多いそうです」 | 商品の登場。売り手が薦めるのではなく、答えた本人の口から出る形にする |
22–26秒 | 食べている場面。表情が緩む | テロップ「7品目・レンジ5分」 | 数字は画面に置く。ナレーションで説明しない |
26–30秒 | 商品を正面で1カット。条件を画面下に固定表示 | テロップ「初回7食セット/いつでもスキップOK」→「プロフィールから」 | オファーとCTA。定期条件を明記し、CTAは1つ |
※7bowlsは説明用の架空商材です。実際の制作では、出演者から使用許諾を得たうえで、広告であることが分かる表示を冒頭に置いてください。
各ブロックの意図
0–3秒を質問だけにする。 商品も社名も出さず、質問文を全画面に置きます。視聴者は自分の答えを考え始めるため、その時点で参加した状態になります。答えを持っている質問であることが条件です。
3–10秒で3人を並べる。 一人あたり2〜3秒に切ります。場所と服装が違うことが画で分かるようにするのが要点で、これがないと同じ場所で撮った演出に見えます。
10–14秒で1人に寄る。 分けた直後に1人へ戻すと、そこに重さが出ます。ここに置く一言が、視聴者が最も自分を重ねる部分になります。素材の中から一番良い一言を選ぶ工程が、この型の質を決めます。
14–22秒で商品を出す。 売り手のナレーションではなく、答えた本人の口から出す形にします。これが構図上の要点で、広告らしさが下がる理由です。
22–26秒で数字を画面に置く。 ミュート視聴を前提にします。
26–30秒はCTA1つ。 定期条件を価格と同じ画面に置きます。
構成の考え方そのものは [通販式ダイレクトレスポンス台本の型] で解説しています。
素材の集め方
この型は撮影より素材集めの設計で質が決まります。
質問は1つに絞る
複数質問すると、答えがばらけて一致が作れません。1本につき質問は1つです。
多めに撮る
3人を使うために、6〜8人に聞きます。使えるのは一部です。良い一言は狙って出るものではないため、母数で確保します。
言い直しと間を残す
整いすぎた答えは、読んでいるように見えます。詰まった部分は残したほうが機能します。
同じ日・同じ場所で全員撮らない
背景が同じだと、演出に見えます。日を分ける、場所を変えるだけで印象が変わります。
許諾を先に取る
使用媒体・掲載期間・編集の可否を、撮影前に確認します。後から揉める領域です。
やりがちな失敗
演者に利用者を演じさせる
表示上の問題になります。演者を使うなら、利用者を演じさせず一般論に留めます。
全員が同じ背景で撮られている
街頭の声として作った意味が消えます。
答えが揃いすぎている
台本を読ませると一致が作為に見えます。ばらつきを残したほうが信じられます。
質問が複数ある
30秒に収まらず、一致も作れません。1つに絞ります。
効果を語らせる
商材によっては規制の対象になります。事実や行動の範囲に留めます。
構成上の抜けは [売れない縦型広告に共通する構成の抜け5つ] にまとめています。
この型が向く商材・向かない商材
向く商材
多くの人が共通して抱えている悩みがある
利用者に出てもらえる関係がある
「みんなどうしてる?」が成立するテーマ
向かない商材
悩みが個別性が高く、共通項を作れない
出演者を確保できない
効果を語らないと成立しない商材(規制の壁に当たる)
一人で語らせるなら [【全文公開】縦型30秒の台本|UGC・talking head型]、数字で差を見せるなら [【全文公開】縦型30秒の台本|検証・比較型] のほうが合います。
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まとめ
一人の主張より、複数の一致のほうが信じられる
冒頭は質問だけ。商品も社名も出さない
3人を2〜3秒ずつ、場所と服装を変えて並べる
その後1人に寄り、最も刺さる一言を置く
商品は答えた本人の口から出す
演者に利用者を演じさせない。広告表示は冒頭に置く
質は撮影ではなく素材集めで決まる。多めに撮る
信頼を作る型であるぶん、作為が見えた瞬間に一番損をする型でもあります。
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監修:Pinmov ディレクター 三上渉吾(地上波テレビ通販 6年)