【全文公開】縦型30秒の台本|UGC・talking head型(架空商材LUMOAで解説)
2026/8/3

はじめに
縦型SNS広告で最も多く使われている形式が、顔出しの一人語り(talking head)とUGC風の素撮りです。一般ユーザーの投稿に馴染むため、広告として処理されにくいのが特徴です。
この記事では、架空商材「LUMOA(スキンケア美容液・D2C定期)」を題材に、30秒の台本を全文公開します。
この型で最も多い失敗は、作り込みすぎることです。 きれいに撮るほど広告に見え、この型の利点が消えます。
この型の原理
DR型やドラマ型と決定的に違う点があります。
構図が「売り手 → 視聴者」ではなく「使っている人 → 視聴者」になる。
視聴者は広告を見慣れていて、企業からの売り込みを反射的に処理します。しかし、一人の使用者が自分の言葉で話している映像は、その処理を通りにくくなります。判断が「買わされそうか」ではなく「この人の話は本当か」に移るためです。
ここから設計上の要件が決まります。
要素 | DR型 | UGC・talking head型 |
|---|---|---|
画づくり | 整った照明・構図 | 自然光・手持ち・生活空間 |
話し方 | 台本を読む口調 | 言い直し・間を残す |
テンポ | カットを重ねて速く | ゆっくり話すほうが伸びる場合が多い |
出演者 | モデル・ナレーター | 実際に使っている人 |
カットを速くするのが常に正解ではありません。 talking head型は、顔で話す時間そのものが信頼になるため、細かく切ると逆効果になることがあります。
【全文公開】UGC・talking head型の縦型30秒台本
時間 | 画 | セリフ・テロップ | 設計意図 |
|---|---|---|---|
0–3秒 | 自宅の洗面所。手持ちのスマホで自分を撮っている画角。照明を組まず自然光のみ。少し傾いていてよい | 「これ、正直あんまり期待してなかったんですけど」 | 商品名も結論も先に言わない。否定から入ることで宣伝の合図を外す。手持ちの揺れが「広告ではない」の信号になる |
3–8秒 | 同じ画角のまま。カットを割らない | 「私、夕方になると必ずカサカサしてて。何塗っても同じだと思ってました」 | 悩みの提示。本人の言葉で話すため、テロップで書くより具体性が出る。ここを割らずに見せ切る |
8–14秒 | 手元に画角を下ろす。商品を持つ。パッケージを正面に構えない。日常の置き方 | 「これは、いつものケアの後に足すだけなんですけど」 | 商品登場。正面から見せると広告の画になるため、手に持ったまま自然に映す。機能の説明はしない |
14–20秒 | 実際に使っている手元。1カットで通す | 「1本で終わらせず、朝も使うようにしてから、夕方の感じが前と違うかなと」 | 効果の言い方。断定を避け、本人の感じ方として述べる。ここが規制対応と信頼の両方に効く |
20–26秒 | 顔に戻る。話しながら画面下にテロップが出る | 「気になる人は見てみてください」 | 口頭では強く売らず、条件はテロップで正確に出す。話し方と表示の役割を分ける |
26–30秒 | 同じ画角のまま終わる。決めカットを作らない | 「プロフィールに貼っておきます」 | CTAは1つ。編集で締めず、話し終わりで終える |
※LUMOAは説明用の架空商材です。実際の制作では、効果効能の断定表現は使えません。
各ブロックの意図
0–3秒を否定から始める。 「期待していなかった」は、視聴者が広告に対して持っている感情と同じです。同じ側から始まると、売り込みの合図が立ちません。逆に「すごい商品を見つけました」で始めると、その瞬間に広告として処理されます。
3–8秒でカットを割らない。 この型では、間を残したまま話し続けることが信頼の材料になります。細かく切ると編集された印象が出て、素撮り感が消えます。
8–14秒で商品を正面に構えない。 パッケージを正面に向けて静止した瞬間、画が広告になります。手に持ったまま、置いたまま映すほうがこの型には合います。
14–20秒が最も難しい部分です。 効果を断定できないため、「変わりました」ではなく「前と違うかなと」のように、本人の感じ方として述べます。これは規制上の要請であると同時に、断定しないほうが信じられるという性質もあります。
20–26秒で話し方と表示を分ける。 口頭で強く売ると、それまでの自然さが崩れます。条件はテロップで正確に出し、口では触れる程度にします。定期商材なら回数条件と解約条件を同じ画面に置きます。
26–30秒で決めカットを作らない。 ロゴやキャッチコピーで締めると、最後に広告だと明かすことになります。話し終わりでそのまま終えます。
構成の考え方そのものは [通販式ダイレクトレスポンス台本の型] で解説しています。
PR表示について
広告らしさを消すことと、広告であることを隠すことは別です。
商品の提供や報酬を受けて投稿する場合、広告であることが一般の消費者にとって明瞭に分かる表示が必要です。表示は動画の冒頭に置き、一見して判別できる形にします。文字を背景に溶け込ませる、他のハッシュタグに埋もれさせるといった見せ方は問題になります。
この型は広告に見えにくいことが利点であるため、表示の要件が特に重要になります。
やりがちな失敗
照明を組んできれいに撮る
この型の利点が消えます。自然光と手持ちで十分です。むしろそのほうが機能します。
台本を読み上げさせる
言い回しが整いすぎると、読んでいることが伝わります。要点だけ渡して、本人の言葉で話してもらいます。言い直しや間は残します。
カットを細かく割る
編集された印象が出ます。1カットで通す時間を作ります。
冒頭で商品名を言う
広告の合図になります。商品は8秒以降です。
効果を断定させる
規制上の問題であると同時に、断定するほど信じられなくなります。
構成上の抜けは [売れない縦型広告に共通する構成の抜け5つ] にまとめています。
この型が向く商材・向かない商材
向く商材
使用感そのものが価値になる(化粧品、食品、日用品)
実際に使っている人を用意できる
効果を断定しにくく、体感で語るほうが合う
向かない商材
高額で、検討に時間がかかる(説明が必要になる)
使用者を出せない、または出しにくい
数字や比較で差を示すほうが早い商材
数字や比較で見せるなら [【全文公開】縦型30秒の台本|検証・比較型] のほうが合います。感情で動かすなら [【全文公開】縦型30秒の台本|ショートドラマ型] を参照してください。
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まとめ
構図が「使っている人 → 視聴者」になることで、広告として処理されにくくなる
冒頭は否定から入る。商品名は言わない
照明を組まず、自然光と手持ちで撮る
カットを割らない時間を作る
効果は断定せず、本人の感じ方として述べる
条件はテロップで正確に、口頭では強く売らない
広告らしさは消しても、PR表示は冒頭に明瞭に置く
作り込むほど失敗する、数少ない型です。
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監修:Pinmov ディレクター 三上渉吾(地上波テレビ通販 6年)