はじめに
縦型広告で「最後まで見てもらう」ために使える型のひとつが、オープンループ検証型です。冒頭で問いを立て、答えを最後まで明かさないことで視聴者を引き留める設計です。この記事では、心理的な仕組みから台本の全文まで解説します。
この記事でわかること
・ザイガルニク効果を使ったオープンループの仕組み
・冒頭の「問い」の作り方と、途中の小ループの入れ方
・7bowlsでの30秒台本(全文)
【この記事の執筆・監修】
Pinmov ディレクター 三上 渉吾
地上波テレビ通販番組で6年間「売れる台本」を作り続けてきたプロフェッショナル。映像の綺麗さではなく、視聴者の行動を引き出しCPA(採用・獲得単価)を確実に下げるためのダイレクトレスポンス構成に特化。
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オープンループとは何か
「オープンループ(開かれた輪)」とは、結論をあえて先延ばしにし、視聴者の頭の中に「未解決の問い」を残しておく手法です。
この手法の根底には、ザイガルニク効果と呼ばれる心理学的な現象があります。人は達成できた事柄よりも、達成できなかった事柄や中断している事柄のほうをよく覚えている、という心理傾向です。テレビ番組のいいところで「続きはCMのあと!」と挟まれると、どうしても結末を知りたくなってしまう経験がその典型です。
冒頭で「AとB、勝ったのはどっち?」という問い(ループ)を開き、答え(ループを閉じる瞬間)を動画の最後まで提供しないことで、視聴者は「答えが出るまで見届けたい」という欲求に駆られ、動画に留まりやすくなります。
一般的なセールス型のアプローチについては、通販式ダイレクトレスポンス台本の型もあわせてご参照ください。
冒頭の問いの作り方
オープンループ型を成立させる鍵は、最初の3秒で設定する「問い」の質にあります。基本形は「AとB、どちらが◯◯か?」という比較形式です。
重要なのは、「答えが想像できそうだけれど、確信は持てない」絶妙な難易度の問いを設定することです。完全に結果が見え透いている問いや、視聴者が興味を持てない問いではループは機能しません。
効果的な問いの例
「高い美容液と安い美容液、1ヶ月後の水分量はどっちが多い?」
「自炊と冷凍弁当、1ヶ月の食費が安いのはどっち?」
「手洗いと食洗機、本当に水を使っているのはどっち?」
「時間」「コスト」「結果」など、視聴者にとって身近な基準で比較すると、興味を引きやすくなります。
途中で小さなループを追加して離脱を防ぐ方法
30秒の動画であっても、1つの大きな問いだけで最後まで引っ張るのは難しくなります。途中で飽きられるのを防ぐため、動画の中に小さなループを2〜3個仕込みます。
1つの小さな疑問の答えが分かった瞬間に、すかさず次の疑問を提示し、視聴のモチベーションを繋いでいきます。
展開例
「AとB、どちらが安い?(大ループ)」→「まずは材料費を比較します(小ループ1)」→「材料費はAの勝ち。では、光熱費を含めるとどうなる?(小ループ2)」→ 最終的な結果へ
【全文公開】オープンループ検証型 30秒の台本
架空の冷凍宅配ミール「7bowls(ナナボウルズ)」を題材にした台本です。
時間 | 画 | セリフ・テロップ | 設計意図 |
|---|---|---|---|
0–3秒 | 画面を上下に分割。上:スーパーでの買い出し、下:7bowlsをレンジに入れる様子 | テロップ(大)「自炊 vs 7bowls。1ヶ月のリアルな食費、安かったのは…」(絶対に答えは言わない) | 最初の3秒で比較対象を示し、「答えが気になる」状態(大ループ)を作る |
3–10秒 | 買い出しのレシートと、7bowlsの定期便の画面を並べる | 「条件は同じ。1ヶ月平日20日分の夕食代で比較テストします。」 | 比較の前提条件を明示し、検証の公平性を示す |
10–20秒 | 日めくりカレンダーのように日付が進む映像。自炊側は食材が余る様子もインサート | テロップ「自炊は1食約400円。7bowlsは1食約600円。ここで意外な差が出始めます。」(小ループの追加) | 中間地点で1食あたりの価格差を提示した上で「意外な差」という次のフックをかける |
20–26秒 | 余った食材を廃棄する映像と、7bowlsを完食する映像。差をテロップで固定表示 | テロップ「自炊は食材ロスが発生。1ヶ月のトータル費用はほぼ同じでした!」 | 大ループと小ループを一気に回収し、カタルシスを与える |
26–30秒 | 7bowlsのメニュー画像。スマホでタップする演出 | テロップ(固定)「初回◯◯円/メニュー変更OK/いつでも解約OK」→「プロフィールから」 | 納得感が高まったタイミングで、オファーとCTA(1つのみ)を提示する |
※7bowlsは説明用の架空商材です。実際の制作では、定期購入の回数条件・解約条件を必ず明記してください。
他の構成については、新PASONA×UGC型の台本やショートドラマ2部構成の台本も参考にしてください。
やりがちな失敗3つ
1. 冒頭で答えをほのめかしてしまう
「やっぱり7bowlsの方が安かった!自炊との比較結果は…」と、最初の3秒でオチを言ってしまうパターンです。ループが開く前に閉じてしまうため、視聴者は「もう答えが分かったから見なくていいや」と離脱します。
2. 比較の条件を揃えたことを言わない
「Aは毎日使った場合、Bは週1回使った場合」など、前提条件が揃っていない比較は「企業にとって都合の良い結果を作っている」と見透かされます。必ず「同じ条件でテストします」と明言し、信頼性を担保することが重要です。
3. 差を数字でナレーションする
重要な結果を音声だけで伝えてしまうパターンです。ミュートで視聴しているユーザーには届きません。比較結果や重要な差分は、必ず画面テロップで固定表示します。
まとめ
オープンループは「答えを知りたい」という心理(ザイガルニク効果)を使う
冒頭の問いは「答えが想像できそうで確信が持てない」難易度が効く
途中で小さなループを2〜3個仕込んで離脱を防ぐ
比較の条件を揃えたことを必ず明示する
差は画面テロップで固定し、ミュートでも伝わるようにする
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