はじめに
採用動画を作って配信したが、応募数が変わらない。そんなとき、原因が構成のどこにあるかを切り分ける5項目を紹介します。
先に断っておきます。この記事で扱うのは「構造上どこで離脱を招きやすいか」であり、実際の視聴維持率ではありません。 実際の視聴維持率・離脱ポイントは、貴社の広告アカウント(Meta / TikTok 等)のアナリティクスで確認できます。この記事での構造上の指摘と、実データを突き合わせると、直す優先順位が正確になります。
採用動画の構成の全体像は [採用動画で応募数が変わる理由|構成の設計で決まること] で解説しています。
この記事でわかること
・応募が来ない5つの典型的な原因
・応募につながる採用動画の作り方5ステップ
・自社で改善するか、外注すべきかの判断基準
【この記事の執筆・監修】
Pinmov ディレクター 三上 渉吾
地上波テレビ通販番組で6年間「売れる台本」を作り続けてきたプロフェッショナル。映像の綺麗さではなく、視聴者の行動を引き出しCPA(採用・獲得単価)を確実に下げるためのダイレクトレスポンス構成に特化。
※テレビ通販の技術で視聴者の行動(CV)を引き出すPinmovのサービス詳細・事例資料はこちら(無料ダウンロード)

抜け1:施設・店舗の紹介から始めている
何が起きるか
採用動画の冒頭で施設の外観、店内の様子、設備の紹介から始めると、求職者は「施設(店舗)の宣伝動画だ」と判断して離脱しやすくなります。求職者が採用動画に求めているのは「そこで自分が働けるかどうか」の判断材料であり、施設や店舗の見た目ではありません。
どう直すか
冒頭はスタッフの表情、入居者・お客様との関わり、職場の空気から始めます。施設・店舗の紹介は、働く様子を見せた後に短く入れる程度で十分です。
悪い例(みどりの園):施設の外観 → 各フロアの設備 → 「スタッフ一同お待ちしています」
直した例:入居者とスタッフが笑っている場面 → スタッフの一人語り → 1日の流れ
抜け2:「やりがい」「アットホーム」で終わっている
何が起きるか
「やりがいのある仕事です」「アットホームな職場です」という言葉は、多くの求人票や採用動画に使われています。求職者にとって、こうした表現はどの企業でも言うことができる抽象的な言葉として処理されやすく、自分の状況と照らし合わせて判断する材料になりません。
求職者の不安の多くは具体的なものです。「シフトは本当に融通が利くのか」「未経験でも続けられるのか」「職場の人間関係はどうか」。これらに答えていない動画は、見終わっても応募の判断ができない状態で終わります。
どう直すか
抽象的な言葉を具体的な事実に置き換えます。
悪い例(麦と海):「アットホームな職場で、みんな仲良く働いています!」
直した例:「シフト調整が柔軟で、学生でも続けやすい。入って3年以上のスタッフが半数以上います」
「半数以上のスタッフが3年以上在籍」は事実であれば記載できる情報で、「アットホーム」より具体的な判断材料になります。
抜け3:条件が音声だけで画面に出ていない
何が起きるか
SNSはミュートで再生されることが多く、音声に載せた情報は多くの視聴者に届きません。「週3日から働けます」「未経験歓迎です」をナレーションだけで伝えると、ミュートで見ている求職者にはその情報が存在しないのと同じ状態になります。
求職者が応募を判断するために必要な条件(シフト・時給・最低勤務日数・未経験の可否)が伝わらないと、「詳細を調べるのが面倒」として離脱されやすくなります。
どう直すか
条件は画面テロップで固定表示します。音声と画面の両方で伝えることで、ミュートで見ている視聴者にも届きます。
悪い例(みどりの園):ナレーションで「週3日から、シフトの相談に応じます。未経験の方も歓迎です」
直した例:画面下部に「週3日〜・シフト相談可・未経験歓迎」を固定テロップで表示
抜け4:CTAが複数ある
何が起きるか
「応募はこちら」「見学希望の方はこちら」「まずはお問い合わせを」が並んでいると、求職者はどれを選ぶかを考える必要が生じます。選択肢が増えるほど、何もしないまま離脱されやすくなります。
採用動画に限らず、行動を促す場面でCTAを複数並べることは「親切」ではなく「迷わせる」設計になります。
どう直すか
CTAは1つに絞ります。最初の一歩として、求職者が最もハードルを感じにくい行動を1つ選びます。
業種・状況 | 推奨するCTAの言葉 |
|---|---|
介護・福祉 | 「一度、見学に来ませんか」 |
飲食 | 「まずは1日体験から」 |
建設・設備 | 「現場見学、受け付けています」 |
保育 | 「園の様子を見に来てください」 |
「応募」よりも「見学」「体験」のほうが心理的なハードルが低く、最初の接点を作りやすくなります。
悪い例(麦と海):「応募はこちら」「見学希望はプロフィールから」「LINEでも受け付けています」
直した例:「まずは1日体験から」→「プロフィールから」の1つのみ
抜け5:1本で判断して終わらせている
何が起きるか
採用動画を1本作って配信し、応募数が変わらなかったから「動画は効果がなかった」と結論づけることがあります。しかし1本だけでは、何が効かなかったのかを判断できません。
職種別・切り口別・対象とする求職者別に複数本を作り、反応を比べることで、どの訴求が効くかが分かってきます。1本で試して終わらせると、改善の手がかりが得られないまま終わります。
どう直すか
まず職種別に分けます。同じ施設・店舗でも、介護職向けとデイサービスの職員向けでは、求職者が抱えている不安が異なります。切り口を変えた複数本を回して、反応を見ながら改善します。
1本目:職場の雰囲気・人間関係を中心にした構成
2本目:1日の業務の流れを中心にした構成
3本目:条件(シフト・待遇・未経験可)を中心にした構成
どれが反応されたかで、求職者が何を判断材料にしているかが分かります。
介護職向けの台本は [【全文公開】採用動画30秒の台本|介護・福祉職向けの構成]、飲食職向けは [【全文公開】採用動画30秒の台本|飲食・ホールスタッフ向けの構成] で全文公開しています。
直す順番
5つを同時に直す必要はありません。優先順位があります。
優先 | 項目 | 理由 |
|---|---|---|
1 | 抜け1(冒頭) | ここを直さないと後ろを見てもらえない |
2 | 抜け3(条件の表示) | 最後まで見た人の取りこぼしを止める |
3 | 抜け4(CTAの数) | 削るだけなので工数が最小 |
4 | 抜け2(抽象語) | 言葉を具体に置き換える作業が必要 |
5 | 抜け5(本数) | 1〜4を直した上で増やすほうが効率がいい |
まず1と3だけ直して1本作り直す。 冒頭で離脱させず、最後まで見た人に条件を届ける状態を先に作ります。多くの場合、既存の中盤カットはそのまま使えます。
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まとめ
冒頭は施設・店舗の紹介ではなく「人」から始める
「やりがい」「アットホーム」を具体的な事実に置き換える
条件は画面テロップで固定し、ミュートでも伝わるようにする
CTAは1つに絞る
1本で判断せず、切り口を変えて複数本回す
直す順番は「冒頭 → 条件の表示 → CTAの数 → 抽象語 → 本数」。全部を一度に直さなくても、1と3だけ先に直せば変化が見えやすくなります。
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