はじめに
縦型ショート動画広告で「いかにも広告」とスキップされていませんか?本記事では、消費者の共感を呼ぶ「UGC風」の見せ方と、購買心理を促す「新PASONAの法則」を掛け合わせた台本構成を解説します。この型を使えば、自然な視聴体験のまま購買行動へ繋げやすくなります。
この記事でわかること
・新PASONAの6段構成と秒数割り
・架空商材LUMOAでの完成台本サンプル
・配信後にどの数値を見て改善するか
【この記事の執筆・監修】
Pinmov ディレクター 三上 渉吾
地上波テレビ通販番組で6年間「売れる台本」を作り続けてきたプロフェッショナル。映像の綺麗さではなく、視聴者の行動を引き出しCPA(採用・獲得単価)を確実に下げるためのダイレクトレスポンス構成に特化。
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1. この型が効く場面(悩み/商材)
現代のSNSユーザーは「企業が作った綺麗な広告」に対する警戒心が非常に高くなっています。タイムラインに流れてきた動画が、プロの手による照明や完璧な構図で作られていると判断した瞬間、ユーザーはわずか1秒でスワイプしてしまいます。
このような「広告疲労」が起きている市場において最も有効なのが、UGC(ユーザー生成コンテンツ)風のトーン&マナーを採用することです。一般ユーザーが日常の中でスマートフォンを使って撮影したかのような「手作り感」や「粗さ」を残すことで、警戒心を解き、まずはコンテンツとして見てもらう土台を作ります。
しかし、ただ日常を映すだけでは商品は売れません。そこで組み合わせるのが、ダイレクトレスポンスマーケティングの鉄則である「新PASONA(パソナ)の法則」です。
効きやすい商材:コスメ、スキンケア、日用品、食品、アパレルなど、一般消費者が日常的に使用し、「口コミ」が購買決定に大きな影響を与えるBtoC商材
解決できる悩み:「クリック率は高いが購入に繋がらない」「動画の冒頭2〜3秒での離脱が多い」というアカウント全体の課題
2. 型の全体像
新PASONAの法則を縦型ショート動画(約40〜60秒)に最適化すると、以下のような流れになります。映像はあくまで「一般ユーザーのレビュー」を装いながら、内部の論理構造はセールスの鉄則に則って進行します。
P(Problem:問題):視聴者が潜在的に抱えている悩みへの共感(フック)
A(Affinity:親近感):「私もそうでした」という寄り添い
S(Solution:解決策):その悩みを解決する手段としての商品提示
O(Offer:提案):解決できる理由や成分、具体的な使用感の提示
N(Narrowing down:絞り込み):「今」買うべき理由(限定性・手軽さ)
A(Action:行動):購入ページへの明確な誘導
3. 秒数割りの台本設計
縦型動画において、この型をどのように秒数で割り振るかの骨子です。
秒数 | 新PASONA | 映像・演出の意図 |
|---|---|---|
0–3秒 | Problem | スマホのインカメラや手持ち撮影で悩みの核心を突くテロップから始める。「商品パッケージ」から映さない |
3–10秒 | Affinity | 「最近〇〇で悩んでて…」「色々試したけどダメで…」と視聴者と同じ目線での失敗談や悩みを語り、親近感を醸成する |
10–25秒 | Solution / Offer | 「そこで見つけたのがこれ!」と自然な流れで商品を登場させる。テクスチャーや使用感、実際に使っている様子をインサートし、機能的価値を伝える |
25–35秒 | Narrowing | 「ネット限定」「初回はお得に試せる」など、今すぐ行動すべき理由を提示 |
35–40秒 | Action | 「下のボタンからチェックしてみて」と指差しやテキストでCTAを行う |
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4. 架空商材での完成サンプル
この構成を、架空のナイトケアクリーム「LUMOA(ルモア)」の縦型広告に落とし込んだ台本サンプルです。
商材:ナイトケア保湿クリーム「LUMOA」(架空商材)
ターゲット:翌朝の肌の乾燥が気になる20代後半〜30代女性
秒数 | 映像(画) | セリフ・テロップ | 意図(PASONA) |
|---|---|---|---|
0–3秒 | すっぴん風の女性が洗面台でため息をつく自撮り | 「朝起きた時の顔、鏡で見たくない人いませんか?」 | 【P】 ターゲットの悩みを言語化し、スクロールを止める |
3–8秒 | 女性がカメラに向かって語りかける | 「夜しっかり保湿しても、朝にはカサカサ…。私もずっとスキンケア迷子でした。」 | 【A】 同じ悩みを持つ一人のユーザーとして親近感を持たせる |
8–15秒 | 「LUMOA」を手に取り、テクスチャーを見せる | 「でも、SNSで話題の『LUMOA』を試してみたら、これが私には大正解。」 | 【S】 ここで初めて商品を提示。話題性で説得力を補強 |
15–25秒 | 手の甲に塗り広げるアップ映像 | 「こっくりしてるのにベタつかないから、塗ってすぐ寝れるんです。翌朝までしっとり感が続いて、メイクのノリも良い感じ。」 | 【O】 使用感の良さと得られる未来を視覚と聴覚で伝える |
25–32秒 | パッケージと女性の笑顔 | 「毎日使うものだから、回数縛りなしで初回だけお得に試せるのは本当にありがたいですよね。」 | 【N】 ハードルの低さと条件を提示し、購買を後押し |
32–35秒 | 画面下部を指差すアクション | 「気になったら、左下のリンクから詳細を見てみてね!」 | 【A】 次にとるべき行動を明確に指示する |
※LUMOAは説明用の架空商材です。薬機法に配慮し、効能の断定を避けた表現で構成しています。実際の制作では、定期購入の回数条件・解約条件を必ず明記してください。
5. よくある失敗と改善策
悪例1:冒頭から商品を綺麗に見せすぎる
何が起きるか:0秒で商品パッケージの美しい映像が流れると、視聴者は「テレビCMと同じだ」と判断し、瞬時にスキップします
改善策:最初の3秒は「人」または「共感できるシチュエーション」から始めます。商品はSolution(解決策)のフェーズまで隠すのが鉄則です
悪例2:セリフが「説明書」になっている
何が起きるか:「このLUMOAには、独自の保湿成分〇〇と〇〇が配合されており〜」と企業が言いたいスペックを演者に言わせてしまうパターン。一般の人は日常でそんな話し方をしないため、「言わされている感(やらせ感)」が出ます
改善策:成分名よりも「塗ったあとのモチモチ感」や「翌朝の嬉しさ」など、ユーザーの主観的な感情(ベネフィット)を語らせるように台本を修正します
6. 計測の考え方(どこを見て改善するか)
動画広告を配信した後は、広告マネージャー(MetaやTikTokなど)のデータを見て構成の答え合わせを行います。実際の数値は、必ず貴社の広告アカウント内で確認してください。
このUGC型で注視すべき指標は「最初の3秒の視聴維持率」と「商品登場タイミング(10秒前後)の離脱率」です。3秒の維持率が極端に低い場合は、フックが弱く広告臭が強い証拠です。テロップの文言や、冒頭の演者の表情(もっとラフにする等)を検証・修正します。逆に、最後まで見られているのにクリックされない場合は、オファーが弱いか、動画内の期待値と遷移先のLPにズレがある可能性があります。
動画広告は1本で当たることは稀です。フック(冒頭3秒)だけを変えたものを複数パターン用意し、どの悩みが最も視聴者の指を止めるかをテストすることが重要です。
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まとめ
UGC型は「広告疲労」が起きている市場で有効
冒頭3秒は商品ではなく人・悩みから始める
セリフはスペックではなくユーザーの感情で語らせる
計測は貴社の広告アカウントのデータで確認する
フックを変えた複数パターンでテストする
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