はじめに
運送・物流会社の採用動画を作ることを検討している方、または作ったが応募につながらなかった方へ。この記事では、運送・物流業向けの採用動画30秒の台本を全文公開します。架空の運送会社「株式会社みなと運輸」(横浜市・従業員42名)を題材に、各秒数で何を映し何を伝えるか、なぜその順番なのかまで解説します。
この記事でわかること
・「孤独」というイメージへの答え方
・30秒台本(全文)と、運転席からの映像を使う理由
・女性ドライバー歓迎を条件に入れる効果
【この記事の執筆・監修】
Pinmov ディレクター 三上 渉吾
地上波テレビ通販番組で6年間「売れる台本」を作り続けてきたプロフェッショナル。映像の綺麗さではなく、視聴者の行動を引き出しCPA(採用・獲得単価)を確実に下げるためのダイレクトレスポンス構成に特化。
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なぜ運送・物流業の採用に動画が特に効くのか
運送・物流業は構造的なドライバー不足が続いており、採用が難航している会社が多くあります。求職者の側には「一人で長時間運転・孤独」「体力的にきつい」「夜間・早朝勤務が当たり前」といったイメージが先行しがちです。
実際には、配送ルートが決まっていて段取りよく動ける仕事であること、比較的一人の裁量で動ける自由度が魅力であること、近年は労働環境の改善が進んでいる会社も増えていることなど、テキストの求人票では伝わりにくい情報が多くあります。
パーソルキャリア株式会社がdoda掲載企業114社で行った実証実験では、動画求人を掲載した場合に求人詳細ページへの遷移率が1.33倍、応募への遷移率が1.30倍になったことが確認されています(出典:パーソルキャリア株式会社 公表データ)。
採用動画全般の構成については 採用動画で応募数が変わる理由|構成の設計で決まること で解説しています。
【全文公開】運送・物流業向け採用動画30秒の台本
架空の運送会社「株式会社みなと運輸」(横浜市・従業員42名)を題材にした台本です。
時間 | 画 | セリフ・テロップ | 設計意図 |
|---|---|---|---|
0–3秒 | 運転席から見える朝の道路。ドライバーが一人で運転している。会社名・トラックのロゴは映さない | テロップ(大)「ドライバーって、孤独なイメージありますか?」 | 会社・車両の紹介ではなく、求職者が抱いているイメージを先に言い当てる。運転席からの映像は「自分が座っている場面」として想像しやすい |
3–8秒 | ドライバーが振り返って正面を向いて話す。車内・自然光 | 「最初は不安でした。でも、出発前に必ず連絡を取り合うし、困ったらすぐ電話できる。一人でも孤独じゃないですよ」 | 「孤独」への直接の回答。「一人でも孤独じゃない」という逆説的な言葉が記憶に残りやすい |
8–14秒 | 荷物を丁寧に積み込む場面・配送先で荷物を渡す場面・伝票を確認する場面を3カット | テロップ「決まったルートを、自分のペースで」 | 1日の仕事の流れが見えると「自分でもできそうか」を判断しやすくなる。「自分のペース」という言葉で裁量の自由度を伝える |
14–20秒 | 帰庫後、他のドライバーと軽く話している場面。笑いが起きる一瞬 | テロップ「帰庫したら、みんないる。それだけで気が楽になる」 | 走っているときは一人でも、帰れば仲間がいる。孤独への不安を「帰庫後の場面」でカバーする |
20–26秒 | 条件を画面に固定表示 | テロップ(固定)「週休2日・残業少なめ・未経験・女性ドライバー歓迎」 | 求職者が応募を判断するための条件を画面に固定。「女性歓迎」を入れることで、接触できる母数が広がる |
26–30秒 | ドライバーが車の前で立っている1カット | テロップ「まずは会社見学から」→「プロフィールから」 | CTAは1つ。「応募」より「見学」のほうが決断が小さい |
※株式会社みなと運輸は説明用の架空会社です。実際の制作では、条件・ルート・勤務時間は実態に合わせて記載してください。
各ブロックの設計意図
0–3秒で運転席からの映像を使う。 走行中のトラックを外から映した映像は「車両の宣伝」として処理されます。運転席から見える道路の映像は、視聴者が「自分が運転している場面」として想像しやすく、当事者性を作りやすい特徴があります。
3–8秒で「孤独じゃない」を具体で言う。 「アットホームな職場です」では伝わりません。「出発前に必ず連絡を取り合う」「困ったらすぐ電話できる」という具体的な仕組みを言うことで、孤独への不安に実態で答えます。
8–14秒で「自分のペース」を伝える。 運送業を志望する人の中には、一人で黙々と働くことを好む層がいます。「決まったルートを自分のペースで」という言葉は、管理されすぎない自由度を正直に伝える表現です。
14–20秒で帰庫後の場面を使う。 走行中の孤独を補うのが帰庫後の仲間の存在です。「帰ればみんないる」という場面は、運送業ならではの「一人でも孤独じゃない」という状況を最も素直に表現できます。
20–26秒で女性歓迎を前面に出す。 近年、女性ドライバーの採用を進めている運送会社が増えています。「女性歓迎」を条件に入れることで、これまでリーチできていなかった求職者層に接触できます。
26–30秒のCTAは「会社見学」。 車両・倉庫・出発前のミーティングの様子を直接見てもらうことが、この業種では特に応募の後押しになります。
運送・物流業の採用動画でやりがちな失敗3つ
1. 車両・倉庫の紹介から始める
大型トラックの外観・広い倉庫・最新の配送システムの紹介から始まる動画は、求職者には「設備の宣伝」として処理されます。求職者が知りたいのは「そこで自分が働けるか」です。
悪い例:トラックの外観 → 倉庫の全景 → 「一緒に頑張りましょう!」
直した例:運転席からの道路の映像 → ドライバーの一人語り → 帰庫後の場面
2. 「稼げます」だけで終わる
高収入をアピールするだけの採用動画は、「ではなぜ人が集まらないのか」という疑問を逆に生みます。収入面のアピールは条件として画面に出しつつ、「孤独ではないか」「続けられるか」という不安への回答を先に置きます。
3. 条件を音声だけで伝える
週休2日・残業時間・未経験可といった重要な条件を、ナレーションだけで伝えるパターンです。ミュートで視聴している人には届きません。画面テロップで固定表示します。
建設・設備業向けの台本は 【全文公開】採用動画30秒の台本|建設・設備業向けの構成 で、保育士向けは 【全文公開】採用動画30秒の台本|保育士・保育園向けの構成 で公開しています。
まとめ
冒頭は車両紹介ではなく「運転席からの映像」から始める
「孤独ではないか」を、具体的な仕組みと帰庫後の場面で答える
「自分のペースで動ける」という自由度を正直に伝える
女性ドライバー歓迎を条件として前面に出す
条件は画面テロップで固定し、ミュートでも伝わるようにする
CTAは「会社見学」1つに絞る
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