はじめに
清掃・ビルメンテナンス会社の採用動画を作ることを検討している方、または作ったが応募につながらなかった方へ。この記事では、清掃業向けの採用動画30秒の台本を全文公開します。架空の清掃会社「株式会社クリアライン」(横浜市・従業員35名)を題材に、各秒数で何を映し何を伝えるか、なぜその順番なのかまで解説します。
この記事で分かること
・清掃業の採用で動画が特に効く理由
・30秒台本(全文)と、before/afterを使わない見せ方
・「きれいになった写真」から始めてはいけない理由
【この記事の執筆・監修】
Pinmov ディレクター 三上 渉吾
地上波テレビ通販番組で6年間「売れる台本」を作り続けてきたプロフェッショナル。映像の綺麗さではなく、視聴者の行動を引き出しCPA(採用・獲得単価)を確実に下げるためのダイレクトレスポンス構成に特化。
なぜ清掃業の採用に動画が特に効くのか
清掃・ビルメンテナンスの求人は、応募者の側に「体力的にきつい」「地味な仕事」「誰にでもできる」というイメージが先行しやすい職種です。
実際には、決まった手順で段取りよく進む仕事であり、一人の裁量で動ける自由度が高く、資格取得によって専門性を積める領域でもあります。ビルクリーニング技能士や建築物環境衛生管理技術者といった国家資格もあり、キャリアの道筋が存在します。
さらにこの職種の特徴として、作業時間が早朝・深夜に設定されていることが多く、外から様子が見えません。 通りがかりに見えるのは「掃除している人」だけで、実際の業務の中身は伝わっていません。
パーソルキャリア株式会社がdoda掲載企業114社で行った実証実験では、動画求人を掲載した場合に求人詳細ページへの遷移率が1.33倍、応募への遷移率が1.30倍になったことが確認されています(出典:パーソルキャリア株式会社 公表データ)。
採用動画全般の構成については 採用動画で応募数が変わる理由|構成の設計で決まること で解説しています。
【全文公開】清掃・ビルメンテナンス向け採用動画30秒の台本
架空の清掃会社「株式会社クリアライン」(横浜市・従業員35名)を題材にした台本です。
時間 画 セリフ・テロップ 設計意図
0–3秒 作業前、スタッフが道具をワゴンに積みながら段取りを確認している場面。清掃後のきれいな床は映さない テロップ(大)「清掃って、体力勝負だと思っていませんか?」 完成後の映像から始めると「実績の紹介」になる。求職者が抱いているイメージを先に言い当てる
3–8秒 スタッフが正面を向いて話す。作業服・自然光 「力仕事より、順番のほうが大事です。手順を覚えれば、同じ時間で終わる量が変わります」 「体力勝負」への回答。段取りが技術であることを本人の言葉で伝える
8–14秒 作業の流れを3カット。上から下へ、奥から手前へ進む手順が分かるように映す テロップ「手順は決まっています。迷う場面はほとんどありません」 未経験者の不安(何をどうすればいいか分からない)に、仕組みで答える
14–20秒 作業終了後、スタッフが道具を片付けながら話している場面。時計が見えるように映す テロップ「◯時開始・◯時終了。残業はほぼありません」 時間の確実性を数字で示す。この職種を選ぶ理由として最も強い条件
20–26秒 条件を画面に固定表示 テロップ(固定)「未経験歓迎・週3日〜・資格取得支援あり・シフト応相談」 求職者が特に気にする条件を画面に固定。資格取得支援でキャリアの道筋を示す
26–30秒 スタッフ2人が並んで立っている1カット テロップ「まずは現場見学から」→「プロフィールから」 CTAは1つ。作業時間が外から見えない職種なので、見学が効く
※株式会社クリアラインは説明用の架空会社です。実際の制作では、勤務時間・条件・資格取得支援の詳細は実態に合わせて記載してください。
各ブロックの設計意図
0–3秒で完成後の床を映さない。 ピカピカになった床、光る窓ガラス。これは清掃業の集客用素材であって、採用動画には向きません。求職者が知りたいのは仕上がりの美しさではなく、そこで自分が働けるかです。道具を積んで段取りを確認している場面は、仕事の入口として機能します。
3–8秒で「順番のほうが大事」を言う。 清掃業の応募をためらう最大の理由は体力への不安です。ここで「力仕事ではなく段取り」という現実を伝えることで、体力に自信がない求職者にも可能性が見えます。これは実際に正しい。清掃は手順の設計で作業時間が大きく変わります。
8–14秒で作業の手順を見せる。 上から下へ、奥から手前へ。清掃には決まった手順があります。これを画で見せることで、「何をどうすればいいか分からない」という未経験者の不安が消えます。手順があること自体が、この仕事の安心材料になります。
14–20秒で時間の確実性を出す。 この職種を選ぶ人が重視するのは、終わる時間が読めることです。 決まった時間に始まり、決まった時間に終わる。残業がほぼない。これは他の職種にはない強みで、条件として前面に出す価値があります。
20–26秒で資格取得支援を入れる。 「誰にでもできる仕事」というイメージに対して、資格の存在は明確な反論になります。ビルクリーニング技能士などの資格取得を支援していれば、キャリアの道筋が示せます。
26–30秒のCTAは「現場見学」。 早朝・深夜の作業が多く、外から見えない職種です。実際の現場、道具、作業の様子を見てもらうことが、応募の後押しになります。
清掃業の採用動画でやりがちな失敗3つ
1. before/afterから始める
汚れた床がきれいになる映像は、清掃業の集客用素材として最も強いものです。しかし採用動画の冒頭に置くと「実績紹介」として処理されます。求職者は仕上がりの美しさで応募を決めません。
悪い例(クリアライン):汚れた床 → ピカピカの床 → 「一緒に街をきれいにしましょう」
直した例:道具を積む場面 → スタッフの一人語り → 手順の3カット
2. 「社会に貢献できる仕事です」で終わる
清掃が社会インフラを支える仕事であることは事実ですが、求職者はその抽象論では動きません。知りたいのは、体力的にやっていけるか、時間が読めるか、続けられるかという具体的な情報です。
悪い例:「街の美しさを守る、社会に必要な仕事です」
直した例:「◯時開始・◯時終了。残業はほぼありません」
3. 体力面のアピールをする
「体力に自信のある方!」という訴求は、この職種で最も応募を減らす表現です。実際には段取りの技術で作業効率が変わる仕事なので、「力仕事ではない」という事実を伝えるほうが母数が広がります。
運送・物流業向けは 運送会社の採用動画台本|応募につながる構成を秒数ごとに解説 で公開しています。
まとめ
冒頭はbefore/afterではなく「道具を積む場面」から始める
「力仕事より段取り」という事実を本人の言葉で語らせる
決まった手順があることを画で見せ、未経験の不安を消す
開始時間と終了時間を数字で示す。時間が読めることが最大の強み
資格取得支援で「誰にでもできる仕事」というイメージに反論する
CTAは「現場見学」1つに絞る
自社の求人・商品なら、いくらでどんな動画ができる?
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三上 渉吾
Pinmov / 構成設計担当ディレクター
地上波の通販番組の制作に6年。100本以上の現場で、視聴者が動く構成と動かない構成の差を見てきました。
現在はPinmovで採用動画の構成設計を担当。全カットに設計意図を書いた台本を納品しています。
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