社員が採用動画に出たがらない|顔出しなしで作る5つの型

  • 採用動画

はじめに

採用動画を作ろうとして、社員に出演を打診したら断られた。あるいは、打診すること自体をためらっている。この記事は、そんな状況の方に向けたものです。

結論から書きます。顔を映さなくても採用動画は作れます。しかも、無理に出てもらった動画より効果が高いことがあります。

この記事で分かること

・社員が出演を断る3つの理由と、それぞれへの対処

・顔出しなしで作る5つの型

・顔を出さないほうが効果的なケース

【この記事の執筆・監修】

Pinmov ディレクター 三上 渉吾

地上波テレビ通販番組で6年間「売れる台本」を作り続けてきたプロフェッショナル。映像の綺麗さではなく、視聴者の行動を引き出しCPA(採用・獲得単価)を確実に下げるためのダイレクトレスポンス構成に特化。


社員が出演を断る3つの理由

まず、なぜ断られるのかを整理します。理由によって対処が変わります。

1. ネットに顔が残ることへの抵抗

一度公開された動画は、退職後も残り続けます。転職活動中に前の会社の採用動画が出てくる状況を嫌がるのは、当然の感覚です。

2. 副業や兼業が知られたくない

本業とは別に働いている場合、勤務先に知られたくないケースがあります。断る理由を正直に言えないため、「恥ずかしいので」といった別の理由で断られることもあります。

3. 単純に緊張する・自信がない

カメラの前で話すのが苦手。話し方に自信がない。これが最も多い理由です。


断られたときにやってはいけないこと

説得しないでください。

出演を渋る社員を上司が押し切って撮影した動画は、必ず表情に出ます。硬い笑顔、棒読みのセリフ、目線の泳ぎ。求職者はそれを敏感に読み取ります。

「無理やり出させられている社員がいる会社」に見えた瞬間、採用動画としては逆効果です。職場の空気を伝える動画で、悪い空気が伝わってしまいます。

もう一点。出演を断ったことが人事評価に影響すると社員が感じた場合、社内の信頼を損ないます。採用動画1本のために失うものとしては大きすぎます。

断られたら、素直に別の方法を取ってください。


顔出しなしで作る5つの型

型1|手元だけを映す

作業している手元、道具を扱う様子、書類を書く動きだけで構成します。

向いている業種:倉庫、製造、清掃、施工、調理

手元の映像は、実は顔より情報量が多い場面があります。荷物を持つときの姿勢、道具の扱い方、作業のテンポ。求職者が知りたい「実際どんな作業か」に直接答えられます。

顔が映らないぶん、テロップで情報を補います。

型2|後ろ姿と引きの画で構成する

人は映すが、正面からは撮らない。後ろ姿、横顔のシルエット、遠景での動きだけを使います。

向いている業種:介護、保育、医療(プライバシー配慮が必要な現場)

職場の雰囲気は、人が動いている画があるだけで伝わります。正面から顔を映す必要はありません。

介護施設での撮影については、プライバシーへの配慮を含めて別記事で解説しています。

介護・福祉職の採用動画台本|応募につながる構成を秒数ごとに解説

型3|ナレーション+現場の映像

社員の声も使わず、ナレーションと現場映像だけで構成します。ナレーションは外部に依頼するか、AI音声を使います。

向いている業種:どの業種でも成立します

最も手離れが良い形です。ただし、人の気配がまったくない動画は冷たく見えます。現場で人が動いている映像は必ず入れてください。

型4|音声だけ本人、映像は別

社員には声だけ出てもらい、映像は作業風景を当てます。いわゆるボイスオーバーです。

向いている業種:どの業種でも成立します

「顔は出せないが、話すのは構わない」という社員は意外と多くいます。声の温度感が伝わるため、ナレーションだけの型より人間味が出ます。

声も出したくない場合は、話してもらった内容をテロップ化する方法もあります。「入社2年目・Aさん」といった形で匿名にすれば、本人の言葉をそのまま使えます。

型5|求人票の解説型

そもそも現場を撮らず、求人票を画面に映して解説する形式です。

向いている業種:撮影自体が難しい現場

「うちの求人票、ここが分かりにくいと思うので説明します」という切り口で、条件や仕事内容を1つずつ補足していきます。撮影は画面録画だけで済みます。

地味に見えますが、求職者が本当に知りたいのは条件の中身なので、機能します。


顔を出さないほうがいい場合もある

顔出しは、常に正解ではありません。

離職率が高い職場では、動画に出ていた社員が半年後に辞めているという事態が起こります。求職者が動画を見て応募し、面接で「あの方は」と聞いて、既にいないと分かる。これは信頼を大きく損ないます。

人の入れ替わりが多い業種では、そもそも特定の個人に依存しない構成のほうが、動画を長く使えます。作り直しの頻度が下がるぶん、費用対効果も上がります。

テロップでの情報設計については、構成の抜けをまとめた記事で詳しく扱っています。

応募が来ない採用動画に共通する5つの原因|企画・ターゲット設計から見直す


経営者が出るという選択肢

社員が出られない場合、経営者や採用担当者が出る方法もあります。

ただし注意点があります。経営者が語る「うちの魅力」は、求職者にとって最も信用されない情報です。立場上、良いことしか言わないと分かっているからです。

経営者が出るなら、語る内容を変えてください。

  • 会社の魅力ではなく、大変な部分を正直に話す

  • 「こういう人には向いていない」を明言する

  • 待遇や制度を具体的な数字で説明する

都合の悪いことを自分から言う経営者は、信用されます。魅力を語るより効果があります。


顔出しなしで作るときの注意点

1. 情報量が減るぶん、テロップで補う

表情で伝わっていた部分がなくなるので、文字情報の設計がより重要になります。条件、数字、働く環境。画面に固定表示する情報を増やしてください。

2. 人の気配は必ず残す

誰も映っていない設備と建物だけの動画は、求職者にとって判断材料になりません。手元でも後ろ姿でも構わないので、人が動いている場面を入れてください。

3. 「顔を出さない理由」は説明しない

動画の中で「プライバシーのため顔を伏せています」と断る必要はありません。断り書きがあると、かえって不自然さが目立ちます。自然に構成すれば、視聴者は気にしません。

作った動画をどこに置くかも重要です。Indeedの企業ページには、無料で動画を載せられる枠があります。

採用動画の費用相場と効果を徹底解説【2026年版】綺麗なだけの動画で終わらせない作り方


まとめ

  • 出演を渋る社員を説得しない。表情に出て逆効果になる

  • 顔出しなしの型は5つ。手元/後ろ姿/ナレーション/音声のみ/求人票解説

  • 離職率が高い職場では、むしろ顔を出さないほうが動画を長く使える

  • 経営者が出るなら、魅力ではなく大変な部分を語る

  • 顔が映らないぶん、テロップでの情報設計が重要になる

顔出しができないことは、採用動画を諦める理由になりません。構成の作り方で解決できます。


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三上 渉吾

Pinmov / 構成設計担当ディレクター

地上波の通販番組の制作に6年。100本以上の現場で、視聴者が動く構成と動かない構成の差を見てきました。
現在はPinmovで採用動画の構成設計を担当。全カットに設計意図を書いた台本を納品しています。

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