企業YouTubeの撮影|会議室で撮る対談形式の段取り
企業YouTube
はじめに
企業YouTubeでよく見るのが、会議室で2人が向かい合って話す対談の形です。スタジオを借りなくても社内で撮れて、話す人にも聞き手がいるので、カメラの前で話し慣れていない社員の方でも話しやすい形です。
ただ、会議室での撮影は、部屋選び・カメラの置き方・音の取り方を間違えると、編集で取り返せません。この記事では、会議室で対談形式の動画を撮るときの段取りを、撮影前の準備から1日で4本を撮る流れまで解説します。
この記事でわかること
・会議室で撮るときの部屋の選び方
・カメラ2台の置き方と、ピンマイクでの音の取り方
・1日で4本を撮る段取りと、顔を出せない場合の撮り方
【この記事の執筆・監修】
Pinmov ディレクター 三上 渉吾
地上波テレビ通販番組の制作に6年間携わる。専門は、応募や購入につなげる動画の構成。現在はPinmovで、採用動画・広告動画・企業YouTubeの企画と構成を担当。
企業YouTubeで対談形式が選ばれる理由
対談形式は、社内の会議室と社員の方だけで、毎月続けられる形です。
・スタジオやロケ地を借りなくても、社内の会議室で撮れる
・聞き手がいるので、話す人はカメラではなく相手に向かって話せる
・カメラを2台使えば、引きと寄りを切り替えられ、長い動画でも画が単調になりにくい
・同じ部屋・同じ配置で、何本も続けて撮れる
1人でカメラに向かって話す形は、話し慣れた人でないと表情が固くなることがあります。聞き手を置くだけで、普段の会話に近い話し方になります。
撮影前に決めておくこと
部屋の選び方
会議室を選ぶときは、広さより音と光を先に見ます。
確かめること | 理由 |
|---|---|
空調や外の音がどれくらい入るか | 撮影中に止められない音は、あとから消せない |
窓を背にして座る配置にならないか | 窓を背にすると、顔が暗く映る |
背景に映したくない物がないか | ホワイトボードの書き込みや書類が映り込む |
撮影時間中、部屋を押さえ続けられるか | 途中で部屋を空けると、配置を組み直すことになる |
背景には、社名やロゴ、自社の商品など、その会社だと分かる物を1つ置くと、どの動画も同じチャンネルの動画だと伝わります。
台本は全文を出演者に渡す
台本は、話す内容を全文書いて、出演者に事前に渡します。撮影当日は、カンペで要点をはっきり出します。
「自然に話してもらいたいから台本は渡さない」という進め方もありますが、何を話すかが決まっていないと、言い直しが増えて撮影が延びます。全文を読んだうえで、自分の言葉に直して話してもらうほうが、言い直しが減り、撮影が予定どおりに進みます。
カメラ2台の置き方
1台は2人が入る引き、もう1台は話す人の寄りにします。
カメラ | 映すもの | 使いどころ |
|---|---|---|
1カメ | 2人が入る引きの画 | 会話の流れ、聞き手のうなずき |
2カメ | 主に話す人の胸から上 | 大事な一言、表情 |
2カメの寄りは、あとでショート動画に切り出すときにも使います。縦に切り抜いても話す人が画面に収まるよう、寄りの画では顔の左右に余白を取っておきます。
カメラは、どちらも三脚で固定します。手持ちで撮ると、長い動画では揺れが目立ちます。Pinmovの撮影では、業務用ビデオカメラ2台と三脚2本を使っています。
音はピンマイクで1人ずつ取る
対談の動画は、話の中身が伝わるかどうかが音で決まります。カメラに付いているマイクだけで撮ると、離れて座っている人の声が小さくなり、空調の音も一緒に入ります。
話す人と聞き手の両方にピンマイクを付け、2人の声を別々に録ります。別々に録っておけば、編集で2人の音量をそろえられ、どちらかが咳をしたり言い直したりした部分も切りやすくなります。
撮影の前には、必ず2人に普段の声の大きさで話してもらい、音が割れていないか、服とこすれる音が入っていないかを確かめます。
1日で4本を撮る段取り
月4本の横型動画は、撮影を1日にまとめると、社内の調整が月1回で済みます。
撮影現場では、段取りが悪いと時間が押し、後半に撮るはずだった大事な場面が削られます。撮影が予定どおりに進むと、出演者にも余裕が出て、表情も良くなります。段取りは次のように組みます。
時間の目安 | 内容 |
|---|---|
撮影開始前 | 機材の搬入、カメラ・三脚・マイクの設置、音と画の確認 |
午前 | 1本目・2本目の本編(同じ配置のまま続けて撮る) |
昼 | 休憩。午前の素材で、話し方や立ち位置に直す点がないか確認 |
午後 | 3本目・4本目の本編 |
最後 | 手元や資料、オフィスの様子など、本編に差し込む映像をまとめて撮る |
本編のあいだに差し込む映像(手元、資料、オフィスの様子など)は、最後にまとめて撮ります。差し込む映像を撮るときは、カメラも人もそこに集中するため、一番時間がかかる工程です。本編の途中に挟むと、そのたびに配置を崩すことになります。
衣装も、4本で同じ服にするか、本ごとに替えるかを先に決めておきます。替える場合は、着替えの時間を段取りに入れておきます。
顔を出せない社員が出る場合
顔を出せない方が出演する場合も、対談形式は作れます。
・手元や後ろ姿だけを映し、声で話してもらう
・聞き手だけが顔を出し、話し手は声と手元で構成する
・資料や画面を大きく映し、話し手は声だけにする
この場合は、映せる画が限られるぶん、差し込む映像を多めに撮っておきます。
撮影当日の持ち物と確認すること
項目 | 内容 |
|---|---|
台本とカンペ | 全文の台本を出演者の人数分、カンペは本ごとに用意 |
予備の電源 | カメラとマイクのバッテリー、延長コード |
記録用のメディア | 4本分を撮っても足りる容量と予備 |
背景に置く物 | 社名やロゴ、自社の商品など |
差し込む映像の一覧 | 手元・資料・オフィスなど、最後にまとめて撮る映像のリスト |
撮影の前日までに、出演者には当日の服装(白や細かい柄は避ける、など)と、拘束される時間を伝えておきます。
ショート動画への切り出しを前提に撮る
横型の動画からショート動画を切り出す場合は、撮影の段階で準備しておくと、編集が楽になります。
・2カメの寄りは、縦に切り抜いても顔が収まるよう、左右に余白を取る
・1本の中に、30秒前後で話が完結する場面を最低1つ作っておく
・その場面だけは、言い直しなしで最後まで言い切ってもらう
ショート動画は、横型の動画を見ていない人にも届きます。切り出した30秒だけで意味が通じるかを、台本の段階で確かめておきます。
まとめ
・対談形式は、社内の会議室と社員の方だけで毎月続けられる
・部屋は広さより、音と光(窓の位置)で選ぶ
・台本は全文を出演者に渡し、当日はカンペで要点を出す
・カメラは2台を三脚で固定し、1台は2人の引き、1台は話す人の寄りにする
・音はピンマイクで1人ずつ別々に録る
・4本を1日で撮り、差し込む映像は最後にまとめて撮る
撮影を含めて外に任せる場合の費用は企業YouTubeの制作代行の費用相場|月額の中身と本数の決め方、撮る前の企画の立て方は企業YouTubeの企画の立て方|売り込まずに問い合わせにつなげる構成で解説しています。
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三上 渉吾
Pinmov / ディレクター
地上波テレビ通販番組の制作に6年間携わる。専門は、応募や購入につなげる動画の構成。
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