採用動画の種類の選び方|企業が作りたい動画と求職者が見たい動画はずれている
採用動画
はじめに
採用動画には種類があります。社員インタビュー、1日の流れ、施設紹介、経営者メッセージ、座談会。どれを作るかで、観た人の行動が変わります。
2026年に公表された2つの調査を突き合わせると、企業が作りたい動画と求職者が見たい動画がずれていることが分かります。このずれが、動画を作ったのに応募が増えないという状態の原因になっていると考えています。
この記事では、両方の調査データを並べたうえで、どの種類を選ぶべきかを整理します。
この記事でわかること
企業500社が今後作りたい動画の種類(調査データ)
求職者333人が見たい内容(調査データ)
両者がずれている場所と、その理由
自社の状況別に、どの種類から作るべきか
【この記事の執筆・監修】
Pinmov ディレクター 三上 渉吾
地上波テレビ通販番組の制作に6年間携わる。専門は、応募や購入につなげる動画の構成。現在はPinmovで、採用動画・広告動画・企業YouTubeの企画と構成を担当。
※テレビ通販の技術で視聴者の行動(CV)を引き出すPinmovのサービス詳細・事例資料は、お問い合わせフォームの内容欄に「資料希望」とご記入いただければお送りします。

企業が作りたい動画の順位
採用に動画を使っている企業の人事担当者500人に、今後活用したい動画の種類を3つまで選んでもらった2026年の調査結果です。
1位が企業ブランディング動画の40.6%、2位が会社・事業紹介の39.8%、3位が経営者メッセージ(経営層へのインタビュー)の31.6%です。以下、社員インタビューが27.6%、先輩社員の1日が25.6%、オフィス・施設紹介が14.6%、面接・選考プロセスの紹介が10.0%、SNS向けの縦型ショート動画が7.2%、オンボーディング(社内ルールの説明)が6.8%となっています。
上位3つが、企業ブランディング、会社紹介、経営者メッセージです。いずれも「会社を伝える」方向の動画です。
求職者が見たい内容の順位
同じ2026年に実施された求職者調査です。20〜40代で、直近1年に就職・転職活動をして採用動画を1本以上観た333人が対象です。
採用動画で最も見たい内容を聞いた結果は、1位が仕事内容とやりがいの28.2%、2位が1日の流れの27.6%、3位が職場の雰囲気の27.0%、同率で求める人物像の27.0%、5位がオフィス紹介の26.1%でした。
さらに、動画を観て入社意欲が上がった人(78.1%)にその理由を聞くと、企業への親近感が増した36.5%、社員の人柄が分かった34.2%、入社後に働くイメージが持てた32.3%、職場の雰囲気が分かった31.2%が上位でした。
ずれている場所
2つの調査を並べると、ずれが見えます。
企業が1位に挙げた企業ブランディング(40.6%)に対応する項目は、求職者の上位5つに入っていません。企業が3位に挙げた経営者メッセージ(31.6%)も、求職者が見たい内容の上位にはありません。
逆に、求職者が1位に挙げた仕事内容とやりがい(28.2%)と2位の1日の流れ(27.6%)は、企業側では先輩社員の1日が25.6%で5位です。求職者が同率3位に挙げた求める人物像(27.0%)は、企業側の選択肢の上位に相当するものがありません。
このずれには理由があります。企業は「自社をどう見せたいか」から考え、求職者は「入ったらどうなるか」を知りたい。立っている位置が違います。
採用動画は、会社のパンフレットではなく、求職者が入社を判断するための材料です。判断に使われる情報が入っていなければ、観られても応募にはつながりません。
観られるタイミングから種類を決める
同じ求職者調査で、動画を観るタイミングを複数回答で聞いています。最も多いのが複数社を比較検討している段階の61.0%、次が応募を決める段階の36.9%、情報収集の段階が34.2%、応募後・選考中が29.7%でした。
6割が比較の段階で観ています。つまり、求職者はすでに他社の動画も観ていて、並べて見ています。
このとき、企業ブランディング動画はどの会社も似たものになります。きれいな映像、社屋、笑顔の社員、理念のナレーション。並べて見られたとき、差がつきません。
差がつくのは、他社が見せていないものです。夜勤の実際、繁忙期の現場、新人が最初の3か月で覚えること。こうした具体的な情報は、会社ごとに違います。
状況別に、どの種類から作るか
応募が来ない場合:1日の流れ
求職者が仕事内容を想像できていない状態です。朝から夕方までを時間順に見せる構成が最も情報量が多くなります。求職者が見たい内容の1位と2位(仕事内容とやりがい、1日の流れ)を同時に満たせます。
応募は来るが辞退が多い場合:職場の雰囲気と人
条件で応募して、現場を見て引いている状態の可能性があります。社員インタビューが有効ですが、台本のある受け答えでは雰囲気が伝わりません。働いている最中の会話や、人同士の関わり方を入れる構成にします。
入社後すぐ辞める場合:悪い面も入れる
入る前の期待と実際がずれている状態です。きつい部分を隠さずに入れる構成にします。応募数は減りますが、入ってから辞める人が減ります。介護で特にこの傾向が出る理由については介護の採用で「入ってすぐ辞める」が続く理由|応募を増やす前にに書いています。
同業と条件が近い場合:求める人物像
求職者が同率3位に挙げた項目です。どんな人に来てほしいかを明示すると、合う人だけが応募します。母集団は減りますが、選考の工数が下がります。
顔出しができない場合:作業と現場
人を映せない場合は、手元、作業の様子、現場の音で構成します。方法は社員が採用動画に出たがらない|顔出しなしで作る5つの型にまとめています。
経営者メッセージをどう扱うか
企業側で31.6%が選んだ経営者メッセージは、求職者の上位には入っていません。ただし不要という意味ではありません。
使いどころは、応募後・選考中です。この段階で観ている人が29.7%います。すでに応募した人が、入社を決める前に経営者の考えを確認する。この局面では機能します。
つまり、1本目に作るものではなく、2本目以降の候補です。最初の1本は、比較の段階で観られる前提で作る方が効きます。
よくあるご質問
何種類も作る予算がありません。1本ならどれですか
1日の流れです。求職者が見たい内容の上位を複数カバーできます。仕事内容、職場の雰囲気、関わる人が1本に入ります。
社員インタビューは効果がないのですか
あります。求職者調査で意欲が上がった理由の2位が社員の人柄(34.2%)でした。ただし、インタビューの形式そのものではなく、何を話しているかで決まります。用意された回答を読む形式では人柄が出ません。
企業ブランディング動画は作らない方がいいですか
採用を目的にするなら、1本目には向きません。採用以外の目的(取引先への説明、認知の獲得)があるなら別の判断になります。目的を分けて考えてください。
尺はどのくらいにすべきですか
観る相手の志望度で変わります。詳しくは採用動画の尺と縦横の選び方|30秒・1分・3分の使い分けで解説しています。
まとめ
企業が作りたい動画の上位は企業ブランディング40.6%、会社・事業紹介39.8%、経営者メッセージ31.6%です。求職者が見たい内容の上位は仕事内容とやりがい28.2%、1日の流れ27.6%、職場の雰囲気27.0%、求める人物像27.0%です。
前者は「会社を伝える」動画、後者は「入ったらどうなるか」の情報です。6割の求職者が複数社を比較する段階で動画を観ているため、どの会社も似たものになる企業ブランディング動画では差がつきません。
1本目に作るなら1日の流れです。求職者が見たい内容を最も多くカバーできます。
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出典
【2026版】採用動画の活用に関する実態調査(アルファノート株式会社、2026年6月24日〜25日、採用に動画を活用している企業の人事担当者500人、インターネット調査)
採用動画のトレンド調査2026(株式会社moovy、2026年5月22日〜29日、20〜40代の転職活動経験者で採用動画視聴者333人、インターネット調査)

三上 渉吾
Pinmov / ディレクター
地上波テレビ通販番組の制作に6年間携わる。専門は、応募や購入につなげる動画の構成。
現在はPinmovで、採用動画・広告動画・企業YouTubeの企画と構成を担当。
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