介護職の離職率は本当に高いのか|12.4%の内訳と若手の早期離職
介護
はじめに
「介護は離職率が高い」。採用の相談でよく聞く言葉です。
ところが数字を見ると、違う姿が出てきます。公益財団法人介護労働安定センターの令和6年度介護労働実態調査では、介護職員の離職率は12.4%で、2年連続の低下でした。厚生労働省の雇用動向調査による全産業の離職率は14.2%です。介護のほうが低い水準にあります。
では、なぜ現場では辞める人が目立つのか。この記事では、年齢別のデータと、入職前に渡している情報量という2つの角度から整理します。
この記事でわかること
介護職の離職率の最新の数値と、全産業との比較
年齢別に見たときに何が起きているか
離職率が下がっているのに現場が苦しい理由
早期離職を減らすために入職前にできること
【この記事の執筆・監修】
Pinmov ディレクター 三上 渉吾
地上波テレビ通販番組の制作に6年間携わる。専門は、応募や購入につなげる動画の構成。現在はPinmovで、採用動画・広告動画・企業YouTubeの企画と構成を担当。
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離職率12.4%という数字
令和6年度介護労働実態調査によると、介護職員の離職率は12.4%でした。前年度からの低下は2年連続です。
全産業の離職率は、厚生労働省の雇用動向調査で14.2%です。少なくとも全体の数字では、介護が特に辞めやすい業界とは言えません。
採用の現場で「離職率が高い業界だから」と前提を置くと、打ち手がずれます。離職を減らす施策より、採用の母集団を作る施策のほうが先に効く局面にあるからです。
本当の問題は、採れないことです
同じ令和6年度の調査では、別の数字が悪化しています。
従業員の不足感がある事業所:65.2%(前年より悪化)
採用率:14.3%(低下)
厚生労働省の職業安定業務統計では、介護関連職の有効求人倍率は令和6年平均で4.08倍です。全産業は1.14倍でした。
辞める人が特別多いのではなく、入ってくる人が足りていない。この構造が、現場の人手不足として表れています。採用側の打ち手は、介護の採用動画|有効求人倍率4.08倍で条件比較に埋もれないためにで解説しています。
年齢で分けると、違う姿が出てきます
令和6年度介護労働実態調査では、29歳以下の層で採用率も離職率も他の年齢層より高くなっています。
若い層ほど入れ替わりが激しい、という形です。これは介護に限った話ではありませんが、介護の場合、入職前に渡せる情報が少ないことが影響していると考えています。
求人票に書けるのは、給与、休日、夜勤回数、資格要件までです。実際に働き始めてから直面するのは、夜勤帯の人数、入居者との関わり方、職員同士の連携、申し送りの進め方です。ここに差があると、「思っていたのと違う」が起きます。
入職前に渡せる情報を増やす
夜勤の実際
特養や老健では、夜勤が最大の関門です。1人あたり何人を見るのか、見回りはどの間隔か、仮眠はどう取れるのか。求人票では書ききれない部分を、映像で見せることができます。
隠したほうが応募は増えるように見えますが、入職後に辞められると採用コストが二重にかかります。先に見せたほうが、結果的に残る人が増えると考えています。
施設形態ごとの働き方
特養、老健、グループホーム、有料老人ホーム。同じ介護職でも仕事が違います。配属されてから違いに気づくと、早期離職につながります。形態ごとの違いは特養・老健・グループホームで採用動画の中身が変わる理由で整理しています。
職員同士の関係
離職の理由として職場の人間関係が挙がることは多く、求職者も気にしています。ただ、人間関係の良さは文章では証明できません。申し送りや休憩中の様子が数十秒映っているだけで、受け取り方が変わります。
教える体制
未経験で入る人にとって、最初の数か月に誰が付くのかは大きな問題です。先輩が新人の手元を直している場面を見せると、「未経験歓迎」の文字が具体に変わります。
入職前に見せることが、採用単価にも効きます
採用にかかる費用は、求人広告費だけではありません。面接、見学対応、入職後の教育。早期に辞められると、この全部がやり直しになります。
入職前の情報を増やすことは、ミスマッチの手前で合わない人に辞退してもらうことでもあります。応募数だけを見ると減るように見えますが、残る人の割合は上がります。
同じ考え方は、介護の採用で「入ってすぐ辞める」が続く理由|応募を増やす前にでも書いています。
よくある質問
Q. 介護職の離職率は何パーセントですか。
A. 令和6年度介護労働実態調査で12.4%です。2年連続で低下しています。
Q. 全産業と比べて高いのですか。
A. 低いです。厚生労働省の雇用動向調査による全産業の離職率は14.2%です。
Q. それでも現場で人が足りないのはなぜですか。
A. 採用が追いついていないためです。同じ調査で人材不足感は65.2%、採用率は14.3%でした。介護関連職の有効求人倍率は令和6年平均で4.08倍です。
Q. 若手が辞めやすいというのは本当ですか。
A. 令和6年度の調査では、29歳以下の層で採用率も離職率も他の年齢層より高くなっています。
Q. 入職前に夜勤の実態を見せると、応募が減りませんか。
A. 応募数は減る可能性があります。一方で、入職後に辞める人は減ります。採用から教育までのやり直しを含めて考えると、先に見せたほうが負担は小さいと考えています。
まとめ
介護職の離職率は12.4%で、全産業の14.2%より低い水準です。
現場が苦しいのは、辞める人が多いからではなく、採れていないからです。
29歳以下は出入りが激しく、入職前の情報不足が影響しています。
夜勤の実際、施設形態ごとの働き方、職員同士の関係、教える体制を、入職前に見せます。
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出典
公益財団法人介護労働安定センター「令和6年度介護労働実態調査」(2025年7月公表)
厚生労働省「雇用動向調査」(全産業の離職率14.2%)
厚生労働省 職業安定業務統計(介護関連職の有効求人倍率、令和6年平均4.08倍)

三上 渉吾
Pinmov / ディレクター
地上波テレビ通販番組の制作に6年間携わる。専門は、応募や購入につなげる動画の構成。
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