専門学校の学生募集は保護者にも届ける|進路の相談相手に向けた動画の作り方
専門学校
はじめに
専門学校の学生募集というと、高校生に向けた発信を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、高校生が進路を決めるとき、そばには保護者がいます。
リクルート進学総研の調査では、約7割の高校生が保護者に進路選択のアドバイスを求めている一方で、約7割の保護者が、わが子への進路のアドバイスを「難しい」と感じています。高校生は保護者に相談したい。保護者は何と言えばいいか分からない。この間を埋める材料が、学生募集の動画にも求められていると考えています。
この記事では、公開されている調査データをもとに、専門学校の学生募集で保護者に何を見せればいいのか、動画の作り方を解説します。
この記事でわかること
高校生と保護者が、進路についてどれくらい話しているのか
保護者が進路のアドバイスで困っていること
専門学校の学生募集で、保護者に向けて見せるべき3つのこと
高校生と保護者が一緒に見る動画の作り方
【この記事の執筆・監修】
Pinmov ディレクター 三上 渉吾
地上波テレビ通販番組の制作に6年間携わる。専門は、応募や購入につなげる動画の構成。現在はPinmovで、採用動画・広告動画・企業YouTubeの企画と構成を担当。
- はじめに
- この記事でわかること
- 【この記事の執筆・監修】
- 高校生と保護者は、進路についてよく話している
- 保護者は「好きなことを」と言いながら、アドバイスに困っている
- 保護者の職業イメージは、更新されていないことがある
- 保護者に向けて見せるべき3つのこと
- 1. 職業の今の姿
- 2. 卒業後の働き方
- 3. 費用と支援の制度
- 高校生と保護者が一緒に見る動画の作り方
- 高校生に向けた言葉のまま、保護者にも伝わる内容にする
- 在校生の保護者の言葉を入れる
- オープンキャンパスの後に見られるようにする
- 保護者向けの動画でよくあるつまずき
- 学校の沿革や理念から始める
- 安心させる言葉を並べる
- 高校生に向けた動画と、言っていることが違う
- よくある質問
- Q. 保護者向けの動画は、別に作ったほうがいいですか。
- Q. 保護者はどれくらい進路の相談にのっていますか。
- Q. 保護者がアドバイスに困っている理由は何ですか。
- Q. 動画で費用の話をしてもいいですか。
- Q. 保護者の顔を出してもらう必要はありますか。
- まとめ
- その悩み、動画で解決できるかを初回の絵コンテで確かめられます
- 関連記事
- 出典
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高校生と保護者は、進路についてよく話している
株式会社リクルートと一般社団法人全国高等学校PTA連合会が、高校2年生とその保護者に行った「第11回 高校生と保護者の進路に関する意識調査2023」では、進路について「話す」と答えた高校生は83.0%、保護者は89.4%でした。
話の内容は、「高校卒業後の具体的な進路について」が64.4%で最も多く、「将来どんな職業に就きたいか」「将来の自分の夢」なども50%以上で続いています。目の前の進学先だけでなく、将来の職業まで含めて話していることが分かります。
保護者は「好きなことを」と言いながら、アドバイスに困っている
同じ調査で、高校生に保護者の態度を尋ねると、「私の考えを尊重する」「あたたかく見守っている」「相談にのってくれる」が70%程度で上位でした。保護者が掛ける言葉としては、「自分の好きなことをしなさい、やりたいことをやりなさい」が65.9%と突出しています。
一方で、リクルート進学総研が保護者向けに発行している「高校生の保護者のためのキャリアガイダンス」の2025年度版では、約7割の保護者が、わが子への進路選択のアドバイスを「難しい」と回答していると紹介されています。同時に、約7割の高校生が、保護者に進路選択のアドバイスを求めています。
子どもの考えを尊重したい。けれど、何を材料にどう助言すればいいのか分からない。保護者のこうした状態に、専門学校の側から材料を渡すことができると考えています。
保護者の職業イメージは、更新されていないことがある
保護者がアドバイスに困る理由の一つに、職業の今の姿を知る機会が少ないことがあると考えています。
国土交通省が整備士の人材確保のために行った高校訪問の資料では、整備士を目指す若者が減っている背景として、高校の進路担当の先生が整備業界にあまり良いイメージを持っていないという意見が挙げられています。高校生の周りにいる大人の職業イメージが、今の現場の姿と合っていないことがある、という例です。
理容師も同じです。2015年7月の厚生労働省の通知で、理容師と美容師の施術について性別による区分けがなくなりましたが、こうした変化は、保護者の世代には伝わりにくいはずです。
保護者の職業イメージが更新されていないと、高校生がその学科に興味を持っても、家庭の中で「本当に大丈夫なのか」という話になりやすいと考えています。職業の今の姿を見せる動画は、高校生だけでなく、保護者にも向けたものになります。
保護者に向けて見せるべき3つのこと
1. 職業の今の姿
その仕事が、今どんな現場で、どんなふうに行われているのか。保護者が若い頃に持っていたイメージと、今の姿の違いを見せます。
整備士なら、今の整備工場で行われている点検の様子。理容師なら、今の理容室で行われている施術。職業の中身を見せる動画の考え方は、専門学校の学生募集動画|定員が埋まらない学科は『職業』を見せるで解説しています。
2. 卒業後の働き方
保護者が気にするのは、その学校を出たあと、わが子がどこでどう働くのかです。卒業生がどの職場で、どの位置から仕事を始め、今どうしているのかを、卒業生本人の言葉で見せます。
就職率の数字だけでは、保護者にとってわが子の将来に置き換えにくいと考えています。具体的な一人の卒業生の姿を見せることで、数字が将来の姿に変わります。
3. 費用と支援の制度
進学にかかる費用も、保護者が必ず考えることです。学費の総額に加えて、国の修学支援新制度のような支援制度の対象になっているかどうかも、保護者にとっては大切な情報です。
修学支援新制度は、住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生に、授業料等の減免と給付型奨学金を支給する制度で、国や自治体の確認を受けた学校に在籍する学生が対象になります。制度の仕組みと学校側の要件は、専門学校の定員充足率と修学支援新制度|『5割未満』の意味と学科別に見る理由で解説しています。
費用や制度の話は動画に詰め込むより、動画の最後に「詳しくは学校のページで」と案内し、公式サイトで確認してもらう形が合っていると考えています。
高校生と保護者が一緒に見る動画の作り方
高校生に向けた言葉のまま、保護者にも伝わる内容にする
保護者専用の動画を別に作るより、高校生に向けた動画の中に、保護者も知りたい情報を入れるほうが、家庭の中で一緒に見てもらいやすいと考えています。
高校生が「これ見て」と保護者に見せたとき、職業の今の姿と卒業生の働き方が伝わる。そうした動画を目指します。
在校生の保護者の言葉を入れる
入学を決めたときに、家庭でどんな話をしたのか。在校生本人に、保護者にどう相談したかを話してもらうと、同じ立場の保護者にも伝わりやすくなります。撮影前の聞き取りで、本人の言葉を拾います。
オープンキャンパスの後に見られるようにする
高校生はオープンキャンパスに参加したあと、家に帰って保護者に話をします。そのときに一緒に見られる動画があると、保護者にも学校の様子が伝わります。オープンキャンパスの前後の動画の使い方は、オープンキャンパスの集客動画|予約につながる構成と、来校前に見せるべきことで解説しています。
保護者向けの動画でよくあるつまずき
学校の沿革や理念から始める
学校の歴史や理念は大切な情報ですが、保護者が最初に知りたいのは、わが子が卒業したあとの姿です。沿革や理念は、公式サイトのページで伝えます。
安心させる言葉を並べる
「安心してください」「サポートします」という言葉を並べても、保護者にとっては判断の材料になりません。卒業生が実際に働いている姿や、在校生が実習で身につけたことを見せるほうが、保護者の判断の材料になると考えています。
高校生に向けた動画と、言っていることが違う
保護者向けと高校生向けで別々に動画を作ると、言っていることがずれることがあります。家庭の中で同じ学校の話をするときに、話が食い違わないよう、同じ場所、同じ人、同じ言葉で作ります。
よくある質問
Q. 保護者向けの動画は、別に作ったほうがいいですか。
A. 高校生に向けた動画の中に、保護者も知りたい職業の今の姿や卒業後の働き方を入れ、家庭で一緒に見てもらう形をおすすめします。保護者向けの説明会などで使う場合は、費用や支援制度の説明を加えた動画を別に作ることもできます。
Q. 保護者はどれくらい進路の相談にのっていますか。
A. 第11回 高校生と保護者の進路に関する意識調査2023では、進路について「話す」と答えた高校生は83.0%、保護者は89.4%でした。高校生の約7割が保護者に進路のアドバイスを求めています。
Q. 保護者がアドバイスに困っている理由は何ですか。
A. リクルート進学総研の資料では、社会の変化が速く、学校教育や入試も保護者の時代から大きく変わっていることが挙げられています。職業の今の姿を知る機会が少ないことも、理由の一つだと考えています。
Q. 動画で費用の話をしてもいいですか。
A. 費用の総額や支援制度の詳細は、動画の中に詰め込むより、公式サイトで確認してもらう形が合っていると考えています。動画では、支援制度の対象校であることを一言添え、詳しい情報は学校のページに案内します。
Q. 保護者の顔を出してもらう必要はありますか。
A. 必要ありません。在校生本人に、入学を決めたときに家庭でどんな話をしたかを話してもらうだけでも、保護者に伝わる内容になります。
まとめ
高校生と保護者は、進路についてよく話しています。
保護者は子どもの考えを尊重しつつ、アドバイスの材料に困っています。
保護者に向けては、職業の今の姿、卒業後の働き方、費用と支援の制度を見せます。
学生募集の動画は、高校生だけでなく、家庭の中で一緒に見られるものとして設計することをおすすめします。
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出典
株式会社リクルート・一般社団法人全国高等学校PTA連合会「第11回 高校生と保護者の進路に関する意識調査2023」(2024年2月15日発表)
リクルート進学総研「2025年度 高校生の保護者のためのキャリアガイダンス」
国土交通省「運輸支局長等による高等学校訪問概要」
厚生労働省 平成27年7月17日健発0717第2号通知

三上 渉吾
Pinmov / ディレクター
地上波テレビ通販番組の制作に6年間携わる。専門は、応募や購入につなげる動画の構成。
現在はPinmovで、採用動画・広告動画・企業YouTubeの企画と構成を担当。
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