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専門学校の学生募集にSNSは効くのか|高校生の情報源データから考える動画の置き場所

  • 専門学校

はじめに

「専門学校の学生募集は、SNSに動画を出せば集まるのか」。学校の広報担当の方から、こうした問いを受けることがあります。

結論から言うと、SNSは「職業を知ってもらう段階」には向いていますが、「学校を比べてもらう段階」の主役にはなりにくいと考えています。高校生が普段いちばん長く接しているメディアと、進路を真剣に検討するときに頼るメディアは、同じではないからです。

この記事では、リクルート進学総研などの公開調査をもとに、高校生がどの段階でどのメディアを使っているのかを整理します。そのうえで、専門学校の学生募集動画を、SNS、公式サイト、オープンキャンパスのどこに置けばいいのかを解説します。

この記事でわかること

  • 高校生が普段接しているメディアと、進路検討のときに頼るメディアの違い

  • 専門学校の学生募集で、SNSが向いている段階と向いていない段階

  • 職業紹介の動画と学校紹介の動画を、どこに置けばいいのか

  • SNSに学生募集動画を出すときの作り方の注意点


【この記事の執筆・監修】

Pinmov ディレクター 三上 渉吾
地上波テレビ通販番組の制作に6年間携わる。専門は、応募や購入につなげる動画の構成。現在はPinmovで、採用動画・広告動画・企業YouTubeの企画と構成を担当。


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高校生が普段接しているメディア

株式会社エクスクリエが2024年8月に、全国の15〜29歳の学生941人を対象に行った調査では、普段から接しているメディアの1位はYouTubeで、78.5%でした。同じ調査では、進学先の情報を集めるときに、学校の公式の情報源が最も重視されていることも示されています。

また、リクルート進学総研の「進学センサス2022」では、大学進学者の進学に関する情報源として、紙やパソコンでの情報、オープンキャンパス、人からのアドバイスが軒並み減る一方で、スマートフォンのアプリやSNS、ブログからの情報収集が増える傾向が示されています。

高校生の日常の中心に動画とSNSがあり、進路の情報収集でもスマートフォンの比重が上がっている。ここまでは、多くの学校の実感とも重なるはずです。

進路検討の場面では、SNSのポイントは低い

一方で、リクルート進学総研が2022年に公開した「Z世代は進路検討でどのようにメディアを使い分けているのか」では、違う姿が見えてきます。

この調査では、進学情報サイトや情報誌、オープンキャンパス、進学ガイダンスといった進路情報に特化したメディアを「集合メディア」とまとめています。その集合メディアが、進路検討のあらゆる場面で最も高いポイントでした。2位は人からのアドバイスです。高校生が日常的に接しているSNSは、進路検討のどの段階でも、おしなべて低い数字にとどまっています。

つまり、高校生は、普段はSNSや動画を見て過ごしていても、進路を真剣に考える場面では、進路専門のメディアや、学校の公式情報、身近な人の助言に頼っているということです。

SNSが向いている段階、向いていない段階

高校生が専門学校に出願するまでの流れを、私は次の5段階で考えています。

  1. 職業を知る

  2. 職業を進路の候補に入れる

  3. 学校同士を比べる

  4. オープンキャンパスに行く

  5. 出願する

上の調査を重ねると、SNSが力を発揮しやすいのは1と2の段階だと考えています。高校生がまだ進路を真剣に調べ始めていない段階で、普段見ているSNSの中に、知らなかった職業の動画が流れてくる。これは、進路専門のメディアでは起こりにくい出会い方です。

反対に、3から5の段階では、高校生は公式サイト、進学情報サイト、オープンキャンパス、保護者や先生の助言を頼りにします。ここでSNSの動画だけに頼るのは、調査データから見ても合っていないと考えています。

2つの段階の違いと、それぞれに合う動画の種類は、学校紹介動画と職業紹介動画の違い|専門学校の広報はどちらから作るかで詳しく解説しています。

動画の置き場所の考え方

SNSには職業紹介の動画を置く

SNSに置くのは、学校名を知らない高校生にも見てもらえる、職業紹介の動画です。

臨床工学技士、言語聴覚士、理容師、施工管理のように、職業そのものが知られていない学科ほど、SNSの役割は大きくなります。高校生が自分から検索することのない職業を、普段見ている画面の中で知ってもらえるからです。

このとき、動画の冒頭に学校名や校舎を出す必要はありません。職業の中身と、その仕事をしている人の本音を先に見せ、学校名は最後に出します。

公式サイトには学校紹介の動画を置く

公式サイトに置くのは、学校名を知って調べに来た高校生のための、学校紹介の動画です。

エクスクリエの調査で、進学先の情報収集では公式の情報源が最も重視されていたように、比べる段階の高校生は公式サイトを確認しに来ます。学科のページ、オープンキャンパスの予約ページの近くに、その学校にしかない実習や卒業生の進路を見せる動画を置きます。

オープンキャンパスの予約ページには体験の予告を置く

オープンキャンパスの予約ページには、当日何を体験できるのかを見せる短い動画を置きます。オープンキャンパスの前後で動画をどう使うかは、オープンキャンパスの集客動画|予約につながる構成と、来校前に見せるべきことで解説しています。

SNSに学生募集動画を出すときの注意点

冒頭の数秒に、見ている高校生自身に関わる事実を置く

SNSの動画は、最初の数秒で見るかどうかが決まります。校舎の外観や学校のロゴから始めると、学校名を知らない高校生にとっては、自分に関係のない広告に見えてしまいます。

冒頭には、見ている高校生の進路に関わる事実か、在校生の本音を置きます。たとえば調理師科なら、「免許だけなら、学校に来なくても取れる」という事実から入る構成が考えられます。構成の全体は、専門学校の学生募集動画|定員が埋まらない学科は『職業』を見せるで秒数ごとに紹介しています。

雑学やクイズで気を引かない

「この職業、知ってた?」のようなクイズ形式は、知識としては面白くても、見ている高校生の進路とはつながりません。見終わったあとに残るのは雑学だけで、学科への関心にはつながりにくいと考えています。

1本に1つのことだけを入れる

SNSの縦型動画は、尺が短い分、入れられる情報も限られます。職業の中身、学校に通うと何が変わるか、卒業後の姿を1本に詰め込まず、1本1テーマで分けて作ります。

見た後の行動を1つに決める

SNSで職業を知った高校生に、次に何をしてほしいのか。アカウントのフォローか、学科ページの閲覧か、オープンキャンパスの予約か。1本につき1つに絞り、最後に示します。

顔を出しにくい在校生がいる場合

SNSは不特定多数に見られるため、顔を出すことに抵抗のある在校生もいます。手元や後ろ姿、声だけで構成する方法は、社員が採用動画に出たがらない|顔出しなしで作る5つの型で解説しています。

SNSだけで完結させない

SNSで職業を知った高校生は、その後、公式サイトを調べ、保護者に相談し、オープンキャンパスに足を運びます。SNSの動画は入口であって、出願までの流れ全体を担うものではありません。

そのため、SNSの動画を作るときは、その後に高校生が見る公式サイトやオープンキャンパスの内容とつながっているかを確認します。SNSの動画で見た実習室や在校生が、公式サイトやオープンキャンパスでも出てくる。同じ場所、同じ人が続けて出てくることで、高校生の中で「同じ学校の話」としてつながります。

進路の相談相手である保護者に向けた動画の考え方は、専門学校の学生募集は保護者にも届ける|進路の相談相手に向けた動画の作り方で解説しています。

よくある質問

Q. 専門学校の学生募集に、SNSは効果がありますか。

A. 職業を知ってもらう段階では役割が大きいと考えています。一方で、リクルート進学総研の2022年の調査では、進路検討のどの段階でもSNSのポイントは低く、学校を比べる段階では、進路専門のメディアや公式情報、人からの助言が頼られています。SNSだけで出願まで完結させるのではなく、入口として使うことをおすすめします。

Q. どのSNSに動画を出せばいいですか。

A. エクスクリエの2024年の調査では、学生が普段接しているメディアの1位はYouTube(78.5%)でした。まずは高校生が普段見ている場所に、縦型の短い動画を置くことから始めます。

Q. SNSの動画に学校名は入れなくていいのですか。

A. 職業紹介の動画では、学校名は最後に出します。冒頭に学校名や校舎を出すと、学校名を知らない高校生には広告に見えてしまうためです。

Q. 公式サイトの動画とSNSの動画は、同じものでいいですか。

A. 見る人の段階が違うため、分けて作ることをおすすめします。SNSには職業紹介の動画、公式サイトには学校紹介の動画を置きます。

Q. SNSの動画は何本くらい必要ですか。

A. 1本1テーマで考えます。学科ごとに、職業の中身、学校に通うと何が変わるか、卒業後の姿の3本を基本にします。介護福祉学科の3本の台本は、介護福祉学科の学生募集動画台本|志望者を動かす構成を秒数ごとに解説で全文公開しています。

まとめ

  • 高校生が普段いちばん接しているのはYouTubeなどの動画・SNSです。

  • しかし進路を真剣に検討する場面では、進路専門のメディア、公式情報、人からの助言が頼られています。

  • SNSには職業を知ってもらう動画、公式サイトには学校を比べてもらう動画、オープンキャンパスの予約ページには体験の予告を置きます。

SNSは、進路の入口です。入口から出願までの流れ全体を設計したうえで、SNSの動画を作ることをおすすめします。

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関連記事

出典

  • 株式会社エクスクリエ「大学・専門学校の選択/メディア利用」に関する調査(2024年8月、全国の15〜29歳の学生941人)

  • リクルート「高校生の進路選択に関する調査『進学センサス2022』進路選択行動編」(2022年6月29日)

  • リクルート進学総研「Z世代は進路検討でどのようにメディアを使い分けているのか」(2022年7月)

三上 渉吾

Pinmov / ディレクター

地上波テレビ通販番組の制作に6年間携わる。専門は、応募や購入につなげる動画の構成。
現在はPinmovで、採用動画・広告動画・企業YouTubeの企画と構成を担当。

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