介護福祉学科の学生募集動画台本|志望者を動かす構成を秒数ごとに解説

  • 介護・福祉

はじめに

介護福祉士養成施設の入学状況

介護福祉士養成施設の入学状況をまとめた資料では、2024年度の入学者6,546人の内訳は、新卒者等が3,084人、外国人留学生が3,054人でした。入学定員に対する充足率は58.8%です。

2020年度の新卒者等は3,941人だったので、4年間で2割以上減っています。同じ期間に、養成施設の課程数は347から279に減っています。

介護福祉士の受験ルート

介護福祉士の国家試験を受けるルートは、大きく分けて次のとおりです。

  • 養成施設ルート:高校卒業後、介護福祉士養成施設で2年以上学ぶ

  • 実務経験ルート:3年以上の実務経験と、実務者研修の修了

  • 福祉系高校ルート:福祉系の高校で指定の科目を学ぶ

実務経験ルートでの受験に実務者研修の修了が必要になったのは、2016年度の国家試験からです。

高校生が「働きながらでも取れる資格」と知っている場合、養成校で学ぶ理由を示さなければ、進路の候補に残りにくいと考えています。背景となる構造は、「専門学校の学生募集動画|定員が埋まらない学科は『職業』を見せる」(https://pinmov.jp/posts/vocational-school-student-recruitment-video )で解説しています。

この記事でわかること

  • 介護福祉士は、3年以上の実務経験と実務者研修の修了でも国家試験を受けられます。そのため高校生にとっての問いは「養成校で学ぶと何が変わるのか」になります。

  • この台本は、その事実を冒頭で学校側から伝え、在校生の本音で答える構成です。

  • 1本目で「通う理由」、2本目で「仕事の中身」、3本目で「卒業後の姿」を見せる3本構成で考えます。

【この記事の執筆・監修】

Pinmov ディレクター 三上 渉吾

地上波テレビ通販番組で6年間「売れる台本」を作り続けてきたプロフェッショナル。映像の綺麗さではなく、視聴者の行動を引き出しCPA(採用・獲得単価)を確実に下げるためのダイレクトレスポンス構成に特化。

1本目:通う理由を見せる台本(縦型60秒)

語り部

介護福祉学科の2年生です。実習室で移乗介助の練習をしながら、見学に来た高校生に話しかける立ち位置にします。

ターゲット

人の役に立つ仕事に関心はあるものの、介護を進路の候補にまだ入れていない高校2〜3年生です。

見た後の行動

オープンキャンパスの予約です。

0〜3秒

在校生「介護福祉士って、働きながらでも取れるんだよ」 テロップ:実務3年+実務者研修でも国家試験を受けられる 映像:ベッドから車いすへの移乗練習、手元のアップ

3〜8秒

在校生「それでも私が2年ここにいる理由、見てて」 映像:同級生を相手に、声をかけてから体に触れる場面

8〜20秒

在校生「最初、ただ持ち上げればいいと思ってた。でも違った」 映像:入学直後の練習と、今の練習を並べて見せる テロップ:力ではなく、体の動かし方を学ぶ

この一言は、撮影前の聞き取りで在校生本人が話した言葉に置き換えます。聞き取りの項目は、この記事の後半に載せています。

20〜35秒

在校生「現場に出る前に、なんでこうするのかを全部教わる」 映像:先生が手の位置を直す場面、教科書と実習室を行き来する様子 テロップ:技術の理由まで学ぶから、現場で迷わない

35〜50秒

卒業生(施設の休憩室で。顔を出さず手元だけでも可) 「1年目から、なんでそうするのかを後輩に説明できた」 テロップ:卒業生の勤務先と、卒業後何年目か

50〜57秒

在校生「この練習、オープンキャンパスで一緒にやれるよ」 映像:オープンキャンパスで高校生が車いすを押している場面

57〜60秒

テロップ:オープンキャンパスの日程と予約方法

1本目の構成のポイント

冒頭で「学校に来なくてもいい」事実を先に言う

高校生が知っているかもしれない事実を、学校側から先に伝えます。隠さないことで、その後の「それでも通う理由」を売り込みとして受け取られにくくなると考えています。

解説ではなく、在校生の本音を軸にする

「最初はただ持ち上げればいいと思っていた」のように、在校生本人しか言えない一言を軸に置きます。制度や資格の説明は、テロップで後から添えます。

事実を並べただけの解説動画は、正しくても見られにくいと考えています。本人の感情や本音を先に置き、事実はそれを支える形で後から乗せます。

変化を並べて見せる

入学直後と今を、同じ場面、同じ角度で撮って並べます。「2年間で何が変わるのか」を言葉で説明するより、映像で並べるほうが早く伝わります。そのためには、入学直後の練習の様子を、あらかじめ撮っておく必要があります。

映像だけの区間をつくらない

60秒のあいだ、常に言葉かテロップが動いている状態にします。数秒ごとに新しい情報を出すことで、途中で離れる人を減らします。

2本目:仕事の中身を見せる台本(縦型45秒)

1本目で「通う理由」を見せたあと、2本目では介護福祉士の仕事の中身を見せます。

語り部

卒業生の介護福祉士です。施設の休憩室で、実習に来ている後輩の在校生に、自分の1日を話す立ち位置にします。

0〜3秒

卒業生「介護の仕事って、お世話するだけだと思ってた?」 テロップ:介護福祉士の1日

3〜15秒

卒業生が、1日の中で一番気を配っている場面を一言で話します。 映像:記録を書いている手元、申し送りの様子(利用者は映さない)

15〜30秒

卒業生が、養成校で学んだことが現場で役に立った場面を一言で話します。 映像:学校の実習室で同じ動作を練習している在校生

30〜40秒

卒業生「今は、新人に教える側になってる」 テロップ:卒業後何年目か、今の役割

40〜45秒

テロップ:学科名と、オープンキャンパスの予約方法

3本目:卒業後の姿を見せる台本(縦型30秒)

3本目は、卒業時点でどこに立っているのかを短く見せます。

語り部

卒業生本人です。勤務先の施設の入口で、出勤前に一言話す形にします。

0〜3秒

卒業生「卒業して最初に任されたのは」 テロップ:卒業生の勤務先

3〜15秒

最初に任された仕事を、本人の言葉で一言。 映像:施設の廊下を歩く後ろ姿、名札の手元

15〜25秒

卒業生が、今の自分の役割を一言で話します。

25〜30秒

テロップ:学科名と、オープンキャンパスの予約方法

3本は、1本目、2本目、3本目の順に公開します。同じ語り部や同じ実習室を続けて出すことで、見た人に「同じ学校の話」として覚えてもらいやすくなります。

撮影前の聞き取り項目

在校生と卒業生の言葉は、台本に書いたものをそのまま言わせるのではなく、撮影前の聞き取りで本人から出た言葉を使います。聞き取りでは、次の質問をします。

在校生に聞くこと

  • 高校生のとき、介護の仕事にどんなイメージを持っていたか

  • 養成校に入ると決めた理由は何か

  • 入学してから、一番考えが変わったことは何か

  • 実習で、最初にできなかったことは何か

  • 高校生の自分に一言かけるとしたら何と言うか

卒業生に聞くこと

  • 卒業して最初に任された仕事は何か

  • 学校で学んだことで、現場に出てから役に立ったことは何か

  • 働きながら資格を取った同僚と、自分で違うと感じることはあるか

  • 今の役割は何か

聞き取りで出た言葉のうち、本人しか言えない一言を探して、台本の軸に置きます。

撮影時の配慮

  • 実習先の利用者は映さず、学内の実習室で撮影します。

  • 施設で撮影する場合は、利用者が映らない休憩室や入口を選びます。

  • 顔を出しにくい在校生や卒業生がいる場合は、手元と声だけで構成します。方法は「社員が採用動画に出たがらない|顔出しなしで作る5つの型」(https://pinmov.jp/posts/recruitment-video-no-face )で解説しています。

よくある質問

Q. 留学生が多い学科でも使えますか。

A. 使えます。この台本は日本の高校生に向けた職業紹介の動画です。語り部を日本人の在校生にするか、留学生の在校生にするかは、届けたい相手に合わせて決めます。

Q. 60秒より長い動画にしたい場合は。

A. 20〜35秒の「学校で何を学ぶか」の部分を、実習の種類ごとに分けて複数本にすることをおすすめします。1本に詰め込むより、1本1テーマのほうが最後まで見られやすいと考えています。

Q. 学校紹介の動画とは何が違いますか。

A. 学校紹介の動画は、介護を目指すと決めた高校生が、学校同士を比べるときに使われます。この台本は、その手前で、介護を進路の候補に入れてもらうための動画です。違いは「学校紹介動画と職業紹介動画の違い」(https://pinmov.jp/posts/school-video-vs-career-video )で整理しています。

Q. 学科の数字が低いと、どんな影響がありますか。

A. 専門学校は、直近3年度すべての収容定員充足率が5割未満だと、修学支援新制度の対象から原則として外れます。詳しくは「専門学校の定員充足率と修学支援新制度」(https://pinmov.jp/posts/vocational-school-enrollment-rate )で解説しています。

まとめ

介護福祉学科の学生募集動画では、「働きながらでも取れる資格を、なぜ養成校で学ぶのか」という問いに、在校生の言葉で答えることが軸になります。

  • 1本目で、通う理由を見せる

  • 2本目で、仕事の中身を見せる

  • 3本目で、卒業後の姿を見せる

3本とも、台本の言葉は撮影前の聞き取りで本人から出た言葉に置き換えて使います。

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出典

  • 介護福祉士養成施設の入学状況:資料「介護福祉士養成施設への入学者数と外国人留学生(令和2年度から令和6年度)」

  • 介護福祉士の受験ルート:法務省資料「介護福祉士の資格取得ルート」、ユーキャン「介護福祉士の実務者研修」コラム(2016年度からの実務者研修の義務化)

三上 渉吾

Pinmov / 構成設計担当ディレクター

地上波の通販番組の制作に6年。100本以上の現場で、視聴者が動く構成と動かない構成の差を見てきました。
現在はPinmovで採用動画の構成設計を担当。全カットに設計意図を書いた台本を納品しています。

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